氷の瞳
アステル達は聖ガルーデ教会にてデトレフを探した。今日は人は、まばらなので長身でくせ毛の痩せた眼鏡の男を探すのは、意外と容易だった。 「おい!!デトレフ。こんな所にいたのか!!!!捜したぞ」 フィオナがデトレフを目ざとく見つけ出した。 デトレフは教会の大広間の隅を歩いていた。 「えっフィオナさん!!君達は。何故ここに ? ? 」 「 私達は、あなたを探していたのよ。あなたが不信な、いいえ 。あの....その・・・どうして
ているのかなと思って。」 アステルが口よどんだ。デトレフが 訝しげにアステルを見つめて ため息をついた。 「別に君らに関係ないよ。僕は失礼する。」
それはそれは冷たく他人行儀な言い方だった。フィオナが少しムっとした。 別れたとしても、寝食を 共にした仲間なのに。・・・・・・・ 「お前は・・・・ 随分と冷たい言い方だな。まるで人が変わったみたいに」
フィオナが 残念そうに言った。デトレフは答えない。答えようとしない。昴は寂しい気持ちで デトレフの瞳を見つめた。
コバルトブルーの目は冷たく濁り、冬の氷の湖の様だ。こんな目はデトレフではない。まるで別 の誰かが・・・・デトレフに成りすましているようにも思えた。 何も言わずにデトレフは、その場を去っていった。明らかに何かがありそうだ。
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