表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/274

灰色の猫・・凄惨な地獄絵図  

残酷な描写があります。・・ご注意ください。・・    

それは余りにもショッキングな光景だった。ここは、死霊の棲家と言われる・・朽ち果てた墓場。・・不気味な十字架や、墓が誰にも手入れされずに、野ざらし状態にされている。



  そこに・・13体の血まみれの惨殺死体が転がっていた。死体は、鋭い獣の牙で食いちぎられたような状態で、手足も首も、バラバラにされ・・そこらここらに散らばっている。あたり一面おびただしい血の海だ。13体の死体は、数時間たっているらしく蝿がたかり、強烈な臭い・・腐敗臭と血の匂いが混ざった様な異様な臭いがした。



 地上の、この世の地獄の様な光景と違い、空は皮肉な程青く美しかった。

   

   

この若い死体達。・・どの顔もまだ、あどけなく・・幼い・・14〜5歳の少年少女だ。・・まだ10歳くらいの本当に幼い子どももいた。少年少女達に何があったのだろうか。この若い命達を瞬時に・・(死体は意外に安らかな顔で抵抗した跡がなかった。)奪ったのは、何者だろうか。



 最初に、死体を見つけたのは墓守りの男だった。墓守りの男は、この凄惨な光景を目にして、叫び声をあげ、その場にへたりこんだ。そして助けを呼び、この事件が、ヨルクガンドの街中に広がることとなっ

た。・・・街中の人々が、この異常な光景を目にした。



  アステル達も宿でこの事件を聞きつけ、現場に急いで向かった。 




その悲惨な光景に、一行は言葉を失った。一番初めに口を開いたのは、フウマだった。


 

  乾いた風が吹く。・・・不気味な叫び声のようにも聞こえた。




  「何故・・こんな事になったでござるか。まだ幼子もいるでござる。」


  



    


       挿絵(By みてみん)  

   

     

   アステルが思わず肩を震わせて、涙を流した。フィオナがそんなアステルを抱き寄せて・・優しく背中を叩いた。・・リカードは祈りを捧げ、ツキハは手を合わせた。セシエルは言葉を失い・・ショックを受けている。・・昴は、嗚咽した。また・・若者の死を見てしまった。・・・・ 


 セレーネは、押し黙ったまま微動だにしない。・・・・




  その時だ・・・木の陰から・・灰色の猫が現れた。・・猫は傷つきブルブル震えていた。


 猫はアステル達を見つめ、セシエルの前に立った。  


       挿絵(By みてみん)




「この猫ちゃん。・・・ゼニアスん。・・もしかして。・・」 




猫は頷く代わりにセシエルの瞳を見つめた。       

         

読んでいただきありがとうございます。・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ