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最後の誘惑?

               「さあ、着いたわ。デトレフさん。」 

  

   


                「ありがとう・・。アステルさん。」

 


  デトレフが妙に穏やかで、優しい声で答えた。「ああ、久しぶりの故郷だなあ・・。」


 そう言うと猫のように大きく伸びをして、大きなコバルトブルー色の瞳を細め・・ため息をついた。

  



   アステルは聖獣ミロクに変身すると仲間達を背中に乗せ、時の神殿を後にした。アルフィンの大賢者達は、アステル達に少しの間の別れを告げた。アルフィンを守らなければならない事、それから白き虚無の行方や、その正体や弱点を突きとめるための研究を急ぐ事を約束して。 



 

 レナとフレデリカは、アイリスハート先生に助けられて、その心の傷を癒すために保養所のような連れて行かれた様だ。  



   こうして皆は地下都市のある、・・・惨劇の舞台・・アルフィン五大賢者の一人アルバート・ノイマンが己の野望を叶える為に、だが逆に己の首を絞める事になった、時の神殿を後にする事に・・


  

  聖なる竜ハイランスの活躍により浄化されたセラフィム達が、まるで感謝の気持を表すように美しい色とりどりの虹・・・を沢山作り、天に昇ってゆく。・・それを見届けるとミロクも、大地を大きく蹴り上げ空を駆け抜ける。一行を乗せて。ただしセレーネ・ヴァイスを除いて。セレーネは邪悪な黒魔術に心も体も侵食されているため、ミロクには乗ることは出来ず・・それに気ままな性格で団体行動を嫌うため・・次に行く街で、おち会う事になった。



  

 冒頭に話を戻すとしよう。デトレフは少し寂しそうに見えた。フィオナから、まるで(戦力外通告) の様な言葉・・はっきりと言えば用無し・・・。みたいなことを言われて・・傷つかないわけがない。それに今やガールフレンドのフブキも、妹のランスロッテもいない。



  確かにこれはコタエルワナ・・・皆がそう思った。フィオナ以外は。・・・フィオナは、不器用だ。デトレフを傷つけたつもりではない・・。だが本当に戦いは・・これからの戦いは、今まで以上に熾烈を極めるだろう。誰かが死ぬかもしれない。・・そんな気がフィオナはしたのだ。自分かもしれない。だが確率的に言えば、非力なスバルとデトレフが犠牲になる・・率が高い。しかしスバルは、アステルに常に

護られている。それのこの少年は何か非凡な物を感じる。輝かしい何かが・・この子は、もしかしてどこか不気味な濁りを感じさせる今のラダ・ナークを救う力の一つかも知れないのだ。




  ・・・・・・・スバルは必要だ。・・しかしデトレフは・・・・・・・・・・・  



  「悪いな。デトレフ。・・あたしは・・・・・・・・・・」




  「いいんだよ。フィオナさん。僕は机に、しがみついてるのがお似合いさ。いくら、お強いフィオナ姐さんでも僕まで守ることはできないさ・・・」  



  「うん・・でも・・お前が・・嫌いで仲間はずれにするんじゃないぞ・・・」





  「フフフ、役立たずの豚野郎は消えろと言いたいんだな」




  「あたしはなー。そんな酷い事いってないぞ。」





  「なーに・・皆がもし・・今度の戦いかなんかで全滅した場合はここヨルクガンドで墓を建てるといいよ。ここは実に空気が綺麗だからね。永遠の眠りにつくにはちょうどいいよ。へへっ・・僕が皆の骨を拾いに行こう。」


  


「冗談にしては言うことキツいわ。デトレフさん!」



  アステルが抗議するように言った。    


  挿絵(By みてみん)



その時だった。不意にデトレフがアステルの口を塞ぐようにキスをした。


     


      「ちょ  ちょ  ちょっと何すんのよーーーーーーーーーーーー」



   

     

  アステルが驚いてデトレフを思わず突き飛ばす。昴は、口をアングリ開けた。



    


     「アハハ、アステルが余りにも綺麗だからさー」


  


    挿絵(By みてみん)   



  「バーイみんな・・また会う日まで。」




   デトレフは笑いながら、振り向きながら逃げるように走り去っていった。

             

   

    

       

  




     

      

    




  

             

 

    


     





        

     







 

    



   

 

       





   

読んでいただきありがとうございます。・・

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