波乱の旅立ち
この女・・。セレーネ・ヴァイスを仲間にしていいものか・・・疑問だ。・・。皆の頭の中には、この女の悪行の数々が思い浮かんでいた。・・しかし・・敵にするのは、やっかいだが味方にするには心強い。・・
・・皆の意見を代表して、リカードがセレーネに質問した。
「一つ君に聞くが、我々の仲間なって・・君になんのメリットがある?。 君は、皆の話を聞くと敵だったはず・・損か得で動く君だ。・・私達を裏切るかも知れない。・・我々にとって君を仲間に入れるのは、危険な賭けだ。」
「金髪のお兄さん。・・ふふっ・・あなたはハンサムだからお気に入りよん。そりゃあスバルの側にいられるからにきまってんじゃないのー ふふっ。・・可愛いスバルを怪物ミロクちゃんに盗られたくないし・・・スバルはあたしのモノよ。」
セレーネがそう言うと、昴に抱きついた、・・そして挑発するように・・ちらりとアステルを横目で見た。
アステルが負けじとセレーネを睨みつける。・・
昴は、どぎまぎして、すまなそうアステルを見つめた。しかし抱きついてくるセレーネを振りほどく事ができない・・なぜならセレーネは、昴の目の前で惨殺された詩音に瞳が片方・・ だけ、紫色・・なのを除けば、生き写しと言えるほど、そっくりなのだ。だが性格は、可憐でお嬢様だった詩音と比べようがないが。・・・
昴の心臓はズキンズキンと高鳴る。セレーネに、この超絶美少女に・・心が揺らいでいた。・・・
セレーネに足で踏まれたい。・・セレーネに命令されたい、セレーネに、いたぶられたい。・ セレーネに・・・・
昴の頭の中は、危険な妄想で満たされていた。どこかセレーネに、倒錯的な欲望を抱いていた。
しかし・・その反面、詩音の面影を色濃く宿す、この少女を守りたい・・汚したくない・・そんな感情も抱いていた。・・
と、そこに・・いきなりフィオナが、口を挟んできた。
「お前とは・・前に、やりあった。あの時・・あたしは・・ 自分の無力さ・・弱さを痛感したものだ。・・過去を完全に水に流す事はできないが・・お前は・・役に立ちそうだ。・・
でも・・あたしたちを裏切ったり、アステルを侮辱する様な事をこれ以上ペラペラ喋れば・・承知しない・・ぶん殴るぞ.・・その面・・いいな・・」
フィオナが脅すように言った。 フィオナは、こんなチャラ付いた・・男に媚びを売る女が、虫唾が走るほど嫌いだが、・・・
「ふふ・・ありがとう。セクシーなフィオナ姐さん。 」
セレーネが、可愛らしくウインクした。
フウマもツキハもセレーネが仲間になる事を認めた。やれやれ・・白い虚無を探し出す旅は、これまで以上に波乱に満ちたものになりそうだ。
読んでいただきありがとうございます。・・