去る者 ・・残る者
デトレフが悔しそうに、リカードに毒づいた。・・ リカードは、目を瞑り・・無視した。
それを・・尻目にアステルが、「他のみんなはこれからどーするの?」
セシエル、ゼニアス、アイリスハート先生は、アルフィンを守らなければいけない・・昴、リカード、フィオナ、 ツキハ、 フウマは、旅を続けることに。・・フウマに非常に懐いているハイランスも連れてゆく事にした。
そして、フレデリカ・・レナの二人・・ 父親のアルバート・ノイマン を目の前で失ったフレデリカ・ノイマンは、心の傷が余りにも深く・・レナが話しかけても・・口を閉ざしたままだ。
今回の戦いは代償が大きかった。ランスロッテとフブキを正体不明の白い虚無にさらわれ、五大賢者の一人アルバートも死んだ。・・
戦いに犠牲は付き物と言うが、今回の戦いのダメージは酷い。
皆が疲労困憊していると、一人だけ元気な女がいた。白き魔女 こと、セレーネ・ヴァイスである。
「ねえーあんた達・・元気出しなさいよー・・いつものあんた達らしくないじゃないの!」
「あんたに励まされるなんて、私達も・・えらく弱くなったものね。・・」
アステルが本当に、ありがたくなさそうに言う。それにカチンと来たのか、セレーネが、強い口調で・・・。
「あたしもアンタ達に、ついて行くわよ。つまり仲間になってあげるってっことよー。」
・・・・皆がシーンと静まりかえる。ハイランスだけが、キューキューと楽しそうに鳴いた。
「 なによ・・そのリアクションは・・あたしが仲間になってあげるのよ。・・感謝しなさいよ。」
セレーネが続けた。「アンタ達。旅を続けるってって言っても資金は?泊まる所とかは、どーすんのよ。あたしは大金持ちなのよ。そこらここら・・ ラダ・ナークに沢山の低宅を所有してんのよー。あたしの財力。まあ・・みんな大金持ちの男達に貢がせたんだけどお・・。あたしの類いまれな希な美貌でねー」
セレーネが美しい銀髪を、たなびかせて笑う。・・金色と紫色のオッド・アイは、まるで宝石の様だ。
セレーネの意外な懐事情が、わかった。・・しかし・・この女を本当に仲間にしていいものか・・・皆の頭の中には、疑問が残っていた。
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