ハイランスの活躍
辺は聖なる空気に包まれた。 セラフィム達が次々と浄化されてゆく。・・
「 ハイランス様じゃあ、 聖なる竜。 ハイランス様・・・」
アイリスハート先生が敬う様に呟いた。
戦士たちに切り殺された、セラフィム達も・・次々と 息を吹き返した様に立ち上がると、その体は透きとおりキラキラと美しく光った。
まるで、それは・・この世のものと 思えぬのほど美しい光景だった。
浄化されたセラフィム達が透きとおった翼を広げ、手と手を取り合い踊り始めたのだ。
邪悪化したセラフィム達が、ハイランスの吐き出す聖なる息に触れると、次々と浄化され踊り始める。無数の輪。セラフィム達の輪が・・くるくると緩やかに回り、 無数の透過した・・ドーナツの様にみえた。
辺は白いブレスとセラフィム達の光り輝く体で、明るく輝きに満ち溢れた。
一行はその様子を唖然として見ていた。
・・・・・何なんだよ・・いったい・・・・・・・
フィオナがポツリと呟いた。
「 キューキュー」
ハイランス が楽しそうに鳴いた。
全ての罪も悪も、消去するような・・無邪気なハイランスと 浄化されたセラフィム達の舞い・・・
ゼニアスが抱いている赤ん坊が微笑んだ。全てを包み込むように。・・・・
邪悪な血で満ちた戦場が、まるで天国のようになった瞬間だった。
読んでいただきありがとうございます。・・