宿命の剣と呪われし刀
「さあ、フィオナに続け、我々も戦うぞ」
リカードが剣を抜いた。その声を聞いたセラフィム達がリカードを食らおうと、ワラワラと翼を広げ 飛んでくる。
リカードは、早口で呪文を唱えた。 リカードは魔法が使える騎士なのだ。
「聖なる焔よ・・いでよ ホーリーファイアー」
セラフィム達が、一瞬・・リカードが出した白い焔に、驚いた。
その時だ。りカードが身を翻し、 セラフィムの体に飛び蹴りを食らわし・・その後 華麗な剣さばきでその首を、はねた。
フィオナも負けてられないとばかりに、宙を舞い、強引にセラフィムの背中に乗ると、その背中に剣を突きたてた。セラフィムが叫び声を上げる。息も絶え絶えのセラフィムが、地上に急降下した。
フィオナは、上手くセラフィムから飛び降り、もう1体の セラフィムに飛び乗る。暴れるセラフィムの顔を殴りつけ、気を失わせると・・首をはねた。フィオナの凛々しく美しい顔に、血しぶきが舞う。
・・・ 今まで眠りについていた、残虐なあたしの本能。・・ 今、暴れだした。
フィオナが残酷に微笑みを浮かべた。・・・戦いはあたしの宿命・・そして、病・・戦わずして、どうして生きていられようか。・・・
もう一人・・血に魅せられ、恍惚とした笑みを浮かべる者がいた。ツキハだ。
ツキハはフィオナと同じく、どこか残酷な性質を持っていた。・・・・俺の呪われた刃が、血を欲しがる。・・・俺は血に恋してる。愛しい女のような俺の刃。・・さあ・・殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ・・・・・戦で 散る 薔薇こそ、この世で一番美しい。
「秘剣 月の牙」
ツキハが剣を気合いをいれて、振り落とした。すると、刀から衝撃波が・・無数に出現し・・セラフィム達の体をバラバラにした。
まるで・・ツキハとフィオナは、天使たちを狩る、悪魔のようにも見えた。
フウマもリカードも懸命に戦っていた。しかし・・この二人ツキハとフィオナは、戦いを心から楽しんでいる。・・・・
フィオナが、アハハハハと高らかに笑い喜々として、血しぶきを浴びた。
リカードは二人が仲間とは言え・・ 恐ろしさを感じていた。・・・ 戦いの女神と侍貴公子は、酔いしれていた。完璧に自分に。・・
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