セラフィム
「お父様・・・が・・・風船みたいに・・破裂した・・アハ・・ハハハ」
フレデリカは一部始終、惨劇を目の前にし、父を失ったショックで精神が崩壊してしまった。
「お父様・・・」 放心状態のフレデリカ・・・
白い虚無が、その様子見て微笑んだ。
「ふふふ人間の愚かな事・・・あの男が体現してくれたようだな。・・・」
白い虚無はフブキとランスロッテを 愛おしい物のように抱え込んだ。なぜ・・細い腕で二人の少女を抱えこめるのか不思議だ。
白い虚無は得体の知れない力が充満しているように見えた。
「小娘、お前には消えてもらう・・お前は私の姿を見た。腹を空かしたセラフィム(熾天使)の餌になってもらおう。 」
白い虚無がそう言うと雲が割れて、雲の割れ目から白い体の・・色とりどりの翼を何枚も持つセラフィムの大群が現れた。・・野生化し凶暴になったセラフィムたち。・・は地上にすごいスピードで降り立ち・・・放心状態の フレデリカに襲いかかる!
その時だ。紅い焔が、セラフィム達を追い払った。
悲鳴を上げるセラフィム達・・・。
「すごい爆発音がしたから、ここ(時の神殿)に来てみれば、このザマとはね。」
凛とした女の声が響いた。その声の主は、セレーネ・ヴァイス・・白き魔女だった。
フレデリカの危機一発の所を、何故かセレーネが助けたのだ。
爆発音を聞き急いで、昴達一行も時の神殿に駆けつけた。
「アンタ達 ・・遅いわよう・暴れがいがあるわよう。見てよ・・この天使共の大群を・・フィオナ・ それにツキハ・・特にアンタ達の剣は 血に飢えているでしょうよ。」
セレーネが楽しそうに言葉を一行に投げつけた。
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