惨劇
時の神殿で大爆発が起きた。こうなった・・・・いきさつを、フレデリカは・・全て見ていた。
白い虚無へ、フブキとランスロッテを生贄に、アルバートが仕掛けた呪文・・フブキは、どんどん 白い虚無の方へと吸い寄せられ、ランスロッテは必死に踏み留ったが・・・結局、力尽きてランスロッテも・・ 白い虚無の方へ吸い寄せられていった。
「全て、私の思い通りだ。私に究極の力がああああああああああ。私は世界のキングに、いや神になるのだ。」
「ぐああああああああああああああ」
「お父様!」
アルバートが急に苦しみ出し、断末魔のような叫び声を上げた。
アルバートの様子が明らかに、おかしい。まるで獣の様な形相だ。
白い虚無はフブキとランスロッテを、片手で抱え込んだ。
そして不敵に微笑む
「私の可愛い天使たち・・お前たちの花のような唇に口づけを・・宝石のような瞳に祝福を・・お前たちの心まるで薔薇のように真紅。・・血の様にな。」
子守唄の様な不気味な歌を歌い始めた。・・・
アルバートの苦しみは止まらず・・だが、得体の知れない巨大な力が流れ込んでくる様な感覚だった。
フレデリカは何もできずに、ただ恐ろしさで立ちすくんでいた。
「お父様!」
そう叫ぶのが限界だ。
そして、アルバートの体が赤く変色し出し・・ 爆発した。
人間・・ 大賢者といえども、生身の人間だ。強大な得体の知れない力に、アルバートの体はついていけなかったのだ。・・
この惨劇を、フレデリカは一部始終見ていた。
余りのショックで、気を失いかけていた。
読んでいただきありがとうございます。・・