大地の匂い
レナが泣きじゃくりながら、話しだした。フブキと ランスロッテを何故 誘拐したのか、・・・・そして行方を。
「私は嫌だったのよ! 本当は・・ でもフレデリカに頼まれてね。 私の親友だもの・・断ることできないよ。それにフレデリカのお父さんは、あのアルバート・ ノイマン・・ アルフィンの五大魔道士の一人なんだよ。」
レナの話はこうだ。・・フレデリカ・ノイマン・・モルドワールのアイリスハート先生の家にいた少女だ。メガネで長身、金髪の少女。・・そのフレデリカは、学園・・アルフィンの魔法学園、帝国グリモワール学園の中等部の生徒だ。
レナとは、クラスメイトであり、親友だ。フレデリカと親友でいる事は・・ レナにとって、誇らしくもあり・・大切な事だ。
それは、フレデリカはアルバート・ノイマンの娘であり、学園でも目立つ存在で、教師たちにも、ひいきされ、甘やかされていた。・・
無論、 スクールカーストの頂点に立つ、一人であり・・レナはその子分的な(言葉は悪いが)存在だった・。
昴は、その話を聞き、ため息をついた。
ああー現実の世界の学園とラダ・ナークの世界の学園も同じだと。・・・必ずクラスにはボス的、女王様的な女子がいて、 ソイツに睨まれたら、さあ大変・・・・。
思わず・・・ アステルと 目が合った。アステルが、 クスリッと 微笑んだ。
「私はフレデリカの言う事を聞かないと、わかるでしょう。それで、あの 二人はを魔法で・・さらったのよ。・・ 理由?・・ フブキさんが、デトレフさんと親しいから、嫌がらせで・・・」
昴は思った。そんな単純な理由で?・・それなら、何故・・ランスロッテまで、さらうんだ?。
裏に何かあるんじゃないか。・・・アルバート・ノイマン。・・この名前が、どうにも・・気になる。
まだ レナは、ポロポロ 涙を流していた。 その震える肩をフィオナが優しく抱く。・・
「ランスロッテとフブキの行方を教えてくれ。 レナ。あの 二人はかけがえのない仲間なんだ。・・友達さ。本当の。・・フレデリカが何かしてきたら、 あたしが お前を、守る。 あたしたちは今日から親友だ。」
レナはフィオナから 暖い大地の匂いを感じた。・・・
そして レナは力強く、頷いた。
読んでいただきありがとうございます。・・