澱んだ空気
セシエルがリカードの背に隠れた。デトレフの前にリカードが立ちはだかる。
「この方に。セシエル様に危害を加えるならば、デトレフ、仲間のお前だって許さない。」
「 へっ、やっぱりアルフィンの連中は、信用できないな。リカードとそいつも(レナのこと)セシエル様と言うお方も、アルフィンの人間だ。アルフィンの奴らが僕は、気に入らない。憎い。 フブキと ランスロッテを殺したのも、アルフィンの 奴ら・・・・ そしてリカードあんたの娘も、それに加担してるんだぜ」
デトレフが嫌味ぽく、時折、不気味な笑みを浮かべながら、 挑発するように 言った 。
リカードは黙りこんでいた。そして、静かに目を閉じ聞いていた。 デトレフが、なおもネチッこく続ける。
「あんたに、そっくりな娘のセシリー。僕はあのガキの内蔵を体から、ひっぱり出してやりたい。へへへへ。」
その 言葉に昴は、寒気がした・・あの・・ ・・優しかった青年、デトレフが・・随分変わってっしまった。そして、すごく悲しい気持ちになった。
どうしてこうなってしまったのだろう。・・・・・・・
「おい、デトレフさん・・小競り合いなら後でやってくれ・・・。俺たちの妹達が 危険だ。俺にはわかる」
ダンジョンに、よどんだ空気が、入り込んだ。醜い人間の本性に、吸い寄せられるように。・・・・ そして、 レナが全てを話だした ・・・ 泣きじゃくりながら。・・・
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