怒り
なんとかレナをアラクネーから戻し、仲間達が再び揃うと、少しだけ はりつめた空気が穏やかになった。
皆が雑談を始めると・・一人だけ話の輪の中に入らない男がいた。デトレフだ。
デトレフは、レナの側に寄ると、レナの体を ゆさぶった。
そして粗粗しい声で怒鳴った。
「おい・・お前・・フブキとランスロッテをどこへ隠した!言えよ・・言うんだ・・お前が・・二人を」
「私・・・私は・・・・」
デトレフに起こされ・・すごい剣幕で怒鳴られ・・恐怖で、レナは言葉を失い・・目を見開いた。
デトレフの行動が更にエスカレート
レナの手を握り締め、すごい剣幕で睨みつけた。
これは、まずい。デトレフはレナを、殴りかねない。・・・・
仲間達が、デトレフを止めようとした時だった。
「やめなんさいん」
ダンジョンの中を、澄んだ女の声が響いた。
セシエルだ。
「そのん子んにんだってん、理由んがあるんはずよん。女のん子んに暴力ンはだめん」
「うるさい!あんたのその話かた・・耳障りだ」
「デトレフ・・セシエル様に失礼だぞ。この お方は。・・・・」
「リカードンちゃん」
セシエルがリカードの背に隠れた。
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