白い魂
その少女は、僕の幼馴染・・丘江詩音だった。忘れもしない・・。僕の目の前で惨殺された詩音。
何故・・何故・・詩音がここに?。レナの心の中・・
詩音は、裸のレナの体に優しく・・白い布をかけた 。・・
その姿は美しく、まるで聖母・・いや、聖少女の様だ。
抜けるような白い肌。白い絹糸の様な髪。猫のような黄金の瞳。・・
僕は心が高鳴る。・・何を話せばいいのか?・・
「詩音、君が・どうしてここにいるの。・・」
僕と詩音は無言で見つめ合うが・・この感じ・・・懐かしく。・・胸が切なさで押しつぶされそうだ。
「私は君をいつも見守ってるよ・・。私の魂が・・君の元へ・・昴・・」
「僕は・・僕は・・君を守れずに・・詩音・・君を死なせた」
「私の運命だった。逃れられぬ運命。・・もう人の運命は決められているのよ。それを無理に曲げようとしてはだめ・」
「でも、君は僕を恨んでないのか・・僕はグズでどうしようもない人間だ。・・いない方がいいんだ」
「この世に、いなくていい人間なんていない。・・どんな魂も救済される為に生まれるのよ。・・」
「詩音・・」
詩音を抱きしめたい、・・そんな気持ちに駆られた・・だがアステルがどこかで見ている。
僕が戸惑っていると詩音が背を向けた・・。柔らかな絹のような髪が、僕の体に触れた。
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