毒蜘蛛
「レナ・・君はどうして・・。」
「・・・・・。」
レナは僕の問いに答えない。虚しい空気が漂い始めた。
その頃、静かな心の世界とは裏腹に・・外の世界では、怒号と悲鳴で、埋め尽くされていた。
「うわあー」・・「きゃあ」・・・
アラクネーと化したレナが一行に攻撃を仕掛けたのだ。
怪物と言っても中身はレナなので、攻撃出来ない。・・仲間たちは逃げ回り、防御するほか、術はない。
リカードは、必死にセシエルを守ろうとし、フィオナはアラクネーの、蜘蛛の巣攻撃に手を焼いた。
アラクネーは、すばしっこい・・殺人蜘蛛・・猛毒を持つ・・を吐き、攻撃してくる。・・
それは地獄絵図その物だ。
蜘蛛が苦手なフウマが、少し情けない でも 大きな悲鳴を上げた
「ううっ蜘蛛が来るでござる・・拙者・・蜘蛛が怖いでござるよ!!なんとかしてでござるゥゥゥ」
「兄者、情けない声を出すな! 侍だろう あんたは・・ここは、なんとか耐えろ・・男だろう」
ツキハが怒鳴る。
その言葉にデトレフが思わず反論する。
「男だって、サムライだって怖いものは、怖いんだ。・・僕も怖いよ」
何とか、毒蜘蛛を払いながら叫んだ。
その頃・・心の世界では・・
神秘的な深海魚が、二人の間をすり抜けて行く・・
レナは、昴の問いには答えない・・
そして昴に無言で背を向けた。・・
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