闇の中で・・静かに・・
完全にアラクネーと化した、レナが一行に襲いかかろうとしていた。その時、アステルは瞬時に聖獣ミロクとなり、昴は知らず知らずにその背中に、乗っかっていた。
アステルが昴の心の中で語りかける。
「レナの魂を救うの。レナの心は、悲しみと憎しみで覆われているわ。哀れな、レナの魂・・こころを救うのよ。昴・・私たちが一つとなって。」
聖獣ミロクの体に、吸い込まれていく・・昴の体・・・ ミロクと昴は今・・ひとつになった。
・・僕は胎児になった感じた。 そこは、ものすごく・・温かく それでいて涼し気だ。闇に包まれてはいるが、居心地がよく・・なんというか、ものすごい幸福感、安心感に包まれていた。
僕が、ぼんやりしていると誰かが、闇の中・・混沌とした空間で、僕を見つめているのに気づいた。
何もない空間に神秘的な深海魚が流れる様に、泳いでいる。
一人の少女・・ 黒髪の少女が そこに居た。 それは、レナだった。どこか瞳は、悲しそうに見開いている。・・僕たちは少しの間、見つめ合った。
読んでいただき、ありがとうございます。