さらわれた?
随分ご無沙汰しましてどうもすいませんでした。
昴はウトウトし始めた。とろける様な甘い睡魔が襲う。
夜も更けてきた。その頃、ガシャーン!ウオーレム邸の窓ガラスが割れる音がした。その時は誰も気づかなった。妖しい何者かがウオーレム邸に侵入したのを。
「お早う。爽やかな朝だね、デトレフさん」
「お早う、そうだね。スバル君・・すごいフカフカのべッドだからね」
僕はデトレフに話しかけた。
デトレフが丸眼鏡をフキフキ、話しかけてくる。
「隣の部屋の女性陣は良く眠れたのかな?・・まだ他の男性陣は寝ているようだけれど」
リカード、フウマ、ツキハは、まだ良く眠っている。疲れているのだろう。
大きな金でできた時計に目を向けると、もう7時だ。まだ皆、寝ているし僕も二度寝しようとした、その時だ。
ドンドンドン!けたたましく、ドアを叩く音がした。
「ねえ!開けて!あの子達が・・あの子達が・・ランスロッテとフブキがいないの!」
静かな朝に、けたたましくアステルの声が響いた。
「どうしたんだい!何があった。アステル」
僕は急いで、ドアを開けた。
「スバル・・大変なの!デトレフさんも聞いて!あの二人・・フブキとランスロッテが、さらわれたみたいなのよ」
アステルの後にフィオナが部屋に飛び込んできた。
「あいつらのべッドが空だったから、窓ガラスが割られてた。そんで二人の物じゃない靴の跡が、さらわれたんだ、ぜったい」
フィオナが、まくし立てるように言った。
「二人共!落ち着いて!こんな時こそ冷静に」
デトレフが(アステル、フィオナ)二人の心を静めようとしたが、一番動揺しているのは、デトレフだった。
デトレフの手がブルブル震えていた。・・やっと蘇り・・禁断の方法を使い生き返らせた命だ。しかもデトレフの妹と最愛の人である。
アステルが、やっと落ち着いたようだ。
「私たちがいながら情けない。あの二人は普通の体じゃないわ。アルフィンの魔法の石が埋め込まれているのよ。何か嫌な予感がする」
「あたしもだ。あいつらがロッテとフブキが危ない」
フィオナが噛み締める様に言った。
ごめんなさい。作者の都合で随分間が空いてしまいました。今度は定期的に更新させていただきます。・・読んでくださりありがとうございました。