アルフィン・ローゼ
今回は、天空の園です
天空の園の奥へと、リカード達は進んでゆく。辺り一面バラが咲き誇り、無数の薔薇が宙に浮ている。
奥に進むたびに、薔薇の芳しい香りが強くなってくる。
「すごい香りじゃのう。強い香水みたいじゃ」
「私んこのん香りん好きよん・・薔薇ンのお風呂ンに入りたいん」
「姉さんは、お風呂が大好きだです。」
「・・・・・」
リカードは無言だ。しかし、なんだこの静けさは、嵐の前だからだろうか。
そう警戒していると。・・・
「誰よ・・あなたたち私は、アルフィン・ローゼ。この天空の園の番人よ」
不意に薔薇の園の中から、妖精が現れた。
青い大きな薔薇を頭に飾り、青いウエーブのかかる豊かな髪、太い眉毛に愛らしいまつ毛の長いキラキラした、ライトブラウンの瞳。花びらのドレスを纏い、背中には透明な、羽が付いている。
驚くほど小柄な娘で、細い。薔薇色の頬紅と口紅を付けていて派手な顔立ちが、余計引き立つ。
「私ん達ん・・アルフィンの石ンを取りんに来たんのん・・そこんどいんてん下さらんないん」
「あのさあーあなたのその、ダラダラした喋り方。何とかならないのー・・ここは通さないわよ」
「この御方達は、アルフィンの五大賢者の内の御三方だぞ・・君は何様のつもりだ」
リカードが怒った様に言った。
「五大賢者だろうが、何物だろうが、関係ないわよ。私はアルフィンの石・・命の石を守るものよ。ここを通りたかったら、命懸けで来なさいよ」
そうすると、ズドン・・ズドン・・何か強大な、生き物が歩いてくる。
強大な赤い薔薇の怪物が現れた。山の様に大きく、なんと足が付いている。
そしてリカード達に襲いかかった。茨は巨大なムチとなり、ツタは体を絡め取ろうとする。
「アハハハッシャルロットちゃん、やっておしまいなさい」
妖精アルフィンローゼが高笑い。
強大な薔薇いや、シャルロットは、大きい体のくせにすばしっこい。
リカード達は、攻撃を何とか避けながら、薔薇の弱点を探っていた。
ゼニアスは検索魔法で弱点を瞬時に調べ上げた。
「そうだです・・これだです・・シャルロットちゃんの弱点は」
ゼニアスは遠くの方に逃げると、何かを詠唱し始めた、すると! 無数のバラゾウムシ(薔薇の天敵)が現れて、シャルロットの体にまとわりついた。
「ギャー私のシャルロットちゃんがーあの虫に枯らされてしまうわー・・もうやめて・・」
その声を聞き、ゼニアスはバラゾウムシを消した。
シャルロットは逃げ出し、アルフィンローゼも逃げ出した。
「戦いんには勝ったんけどん私ん虫ちゃんは苦手んなのん」
「ごめんだです・・姉さん。」
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