天空の園
コロコロ場面が変わりますが、今回はアイリスハート先生の家です
「ゼニアスちゃん、ヨランダちゃんが呼んでるのよん。アルフィンの石を取りに行こうてん」
セシエルが、体をクネクネさせながら、糸の無い糸電話(普通の紙コップなのだが)で誰かと話している。
この人何もしなければ、すごい美人なのに・・リカードは思った。体をクネクネさせ紙コップで話す様は、常人では計り知れないモノがあった。
これが大賢者か、そうなのか。・・やはり凡人とは違う。
「姉さん、読んだですか?」
いきなりセシエルの弟、ゼニアスが現れた。
クリスタルが付いた奇妙な帽子をかぶり、長いキラキラした銀髪。紅茶色の瞳。
細面の上品な顔立ち。・・瞳の色も髪の色も似てないが、華やかな顔立ちは、姉のセシエルによく似ていた。
年齢は19歳くらい。身長は173cmくらいで、やはり細身の体をしていた。
「ゼニアスお前は、姉と違って真面目でいい子じゃ。今からアルフィンの命の石を取りに行くのじゃ。一諸に行ってくれるな。」
「まあん、ヨランダちゃん、それどーゆんことん」
セシエルが抗議した。
でも、ヨランダはお構いなし。・・二人に過去に何が。とゆーか、この人達の実年齢は。・・そんな事をリカードが考えていると。
「いいのですが今から僕、好きな女性と、そのデートがあるですよ」
「今日は我慢するのじゃ、さあ行くぞ。アルフィンの(天空の園)へ、そこに石があるのじゃ」
アイリスハート先生、リカード、セシエル、ゼニアス達は瞬間移動魔法でアルフィンの天空の園へ。
そこは、色とりどり薔薇が咲く天国の様な場所だった。
「素敵だわん・・さすがこの帝国で、もっとも天国に近いと呼ばれる場所ねん」
ズイルバーン帝国の都市、アルフィンの高層ビルの遥か上に、島が浮かんでいる。ここが、別名アルフィンの天空の園と呼ばれる所だ。
天空の園は小さい島で、綿あめのような雲が海のように、波打っている。
色とりどりの野生の薔薇が、無造作に咲き乱れ、人がいる気配はない。
「素敵だわん。うふふふ・・髪飾りにしちゃおうん」
セシエルはそう言うと、薔薇の冠を瞬時に作り、頭に飾る。
リカードはその様子をノンキな人だな、こんな時に。遊びに来てるんじゃないんですよ。・・言いたげに見つめていた。
これから、先4人に何が?
読んでいただきありがとうございます。