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触れたくて触れられない

作者: 華鸚

そっと手を伸ばせば届く

そんな距離にいつもいるのに触れられない

繊細そうなその指先

少し筋ばった手

細いのにしっかり筋肉のついた腕

横を歩く貴方のその手を掴みたいのに

私にその権利はない

一緒に歩いてるとき時々ぶつかる指先

いっそこのまま繋いでしまえ

そう思う私と

そんなことして嫌われたらどうする

と思う私がほんの一瞬の間にせめぎあう

そして勝つのはいつも嫌われたらと思う私

そんなことで嫌ったりする人ではないのは分かってるけど

勇気が出せない私


昔、泣きじゃくりヒステリーを起こしてた私を落ちつけるために触れてくれた彼の手は少し冷たく泣きすぎて火照った私の頬と心を冷やしてくれた

そんな彼の手は私には神聖すぎて

穢れきった私が触れていいものではないとその時から思い込んでいるのかもしれない

道が悪いとき差し伸べてくれた手を拒んだのは私だから

馬鹿な私

なんでいつもみたいに軽いノリでありがとうとその手をとらなかったの


ああ、また一瞬だけ指先が触れあう

やっぱり少し冷たくて

私の頭を冷やしてくれる

いつかその手をとって歩くことが出来るようになるのかしら

ああ、神様一歩踏み出す勇気を私にください

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