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大野木 瑠璃編

大野木 瑠璃編

 私はよくかわいいねって言われるけど、男子に興味がなくて、女子の友達と仲良くしていたいと思っていました。

でも、高校1年生の終わりに同じクラスの男の子に恋をしました。

その人の名前は早坂君といいます。

でも、2年生になったある日私は気づきました。

早坂君は違うクラスの藤本さんが好きだったみたいです。

藤本さんは私の幼馴染である楓と仲のいい女の子でものすごくかわいい人です。

私とは全然違うタイプだから、私なんて好きになってくれないだろうなと思っていました。三年生になって早坂君と三年連続で同じクラスになれたけど、話ができたのは一回だけです。

「おはよう…あ、今日雨降るらしいよ」

「そうなんだ。傘忘れちゃったな」

「傘、貸してあげるよ」

「いいの?」

「うん。私、もう一本持ってるから」

「ありがとう」

その会話だけでした。

傘は翌日、机の横に置かれていて、ありがとうと書かれた紙が机の上に置かれていました。また話せるかなと思ったのに話せなくて少しがっかりしました。

それっきり同じクラスでも話すことはなかったです。

秋になって、修学旅行や遠足、体育祭、文化祭が終わっても話すことはできなくて、頑張ってみようと思っても、話すことはできなかったです。

そんなある日、軽音部の友達の朱音がお昼ご飯の時にこう言いました。

「フーン、瑠璃は早坂君が好きなんだ」

「そうなの。でも…話したことあまりないし、藤本さんのことまだ好きなのかな?」

「知らないの?あーちゃんには二回振られてるんだよ」

「そうなの?じゃあ、私にもチャンスあるんだ」

「そういうことに…なるのかな?」

「私、がんばってみる」

ということで話しかけようと決めたその日の放課後、別のクラスの男の子に校舎裏に呼び出されました。

私は結構男子に対して人見知りするので男の子の友達さえ今までいたことなくて、告白だったらどうしようと思っていたのですが

「俺、町田 雄大って言います。あの…大野木さんって成澤さんと幼馴染なんですよね」

「はい…そうですけど…」

「俺、彼女と友達になりたいんです」

何だ…そんなことか。

でも、どうして藤本さんに相談しないんだろう?

とりあえず私はここで話すのもなんだと思って

「場所変えましょうか」

「そうだね…変えようか」

そういうことで場所を変えて私たちは食堂の椅子に腰かけました。

放課後ということもあって人はほとんどいないです。

私たちはそこで話をすることにしました。

「なんで、藤本さんに相談しなかったんですか?」

そう聞くと町田君は少し考えて

「藤本さん、男子苦手だし…それに友達が告白してから最近仲が良くて…」

「え、藤本さん彼氏出来たんですか?」

私は町田君の言葉をさえぎって思わず叫んでしまいました。

「まだ、付き合ってないよ」

「あ…ごめんなさい」

「いいよ、で…友達が藤本さんに告白してるの見てて、俺も気持ちを伝えないって決めてたけど、成澤さんに気持ち伝えたいんだ」

「え…楓のこと、好きなの?」

さっき叫んだばかりなのに、私はまた叫んでしまいました。

「あ…ごめんなさい」

「うん…なんか、大野木さんって思ってた人と違うね」

私は少し驚いてしまった。

私はどういうイメージで見られているんだろう?

「私って、男子から見たらどういう感じ?」

「うーん…かわいいし、藤本さんより話しかけやすそうだけど、誰も話しかけたりできない高嶺の花って感じ。藤本さんは男子苦手だから基本、誰も話しかけないから、友達になったて、聞いた時は驚いたよ」

「そっか…私そんなイメージなんですか」

「でも、そういう風にしてたらすぐ彼氏できるよ。好きな人いるの?」

「いますよ。でも、あまり話したことないし、ほかに好きな人いるけど…」

「まあ、頑張りなよ。で、俺が楓とせめて友達になれるように、協力してくれる?」

「何をすればいいんですか?」

「じゃあ…まず、成澤さんが俺のことどう思ってるか聞いてみてほしいんだけど」

「分かった、聞いてみるね」

そういうことで私は、翌日の昼休み、楓に会いに食堂に行きました。

楓は私を見るなり

「瑠璃じゃん。どうしたの?」

「あの、少し話したいことがあるんだけど、いいかな?」

「うん…いいよ。まあ、座りなよ」

そう言われて私は楓の横に座りました。

隣の女の子が妙に私を気にしていたので楓がああといってこう続けました。

「二人とも初対面だっけ?この子が藤本彩歌、あーちゃんだよ」

そう言われて隣の女の子は私に向かって

「初めまして」

と言われたので私も同じように返してから

「大野木瑠璃です」

と言った。

初めて見た藤本さんの印象はすっぴんなのにめちゃくちゃかわいい。

私と違うところを挙げるとすれば、少し幼く見えることぐらいだろうか。

確かにかわいいといわれることには納得しました。

「で…話って何?」

楓に言われて私は楓に町田君のことを聞きに来たことを思い出しました。

私は少し考えて単刀直入に聞くことにしました。

「あのさ、楓って町田君のことどう思ってるの?」

そう聞くと楓は

「誰?」

と返しました。

私は考えてもいなかった返事に慌てて

「同級生で、楓と同じクラスだよ」

そう言うと、楓は思いだしたのかああと言って

「忘れてるはずだよ。だって全然特徴ないんだもん」

「じゃあさ、楓はどんな人が好き?」

「うーん…あたしは好きになった人がタイプだから、あんまり男子に興味ないんだ」

「ふーん…そうなんだ」

「瑠璃、どうしてそんなこと聞くの?」

そう言われてこれ以上、彼のことや好きなタイプなど色々聞くのはさすがにまずいと思い、これ以上聞くと疑われてしまうと思い聞かないでおきました。

放課後、町田君にその事を聞かれて

「うん…えっとね…」

「もしかして…全然興味ない感じだった?」

「うん…そうみたい…」

「そっか…どうしたら僕に興味持ってくれるんだろう?」

「楓…好きになった人がタイプだって、言ってたよ」

「それって、一番攻略が難しいタイプじゃないか」

「攻略?」

と私が聞くと

「いや…いいんだ。気にしなくて。そんなことよりどうしたら、好きになってもらえるかな?」

「じゃあ、ボーリング大会でいいとこ見せるとか…」

「自信ないな…」

こうやって話しているうちに私も何となく自分の恋と重ね合わせて悲しくなってしまいました。そしてつい…

「じゃあ、私が藤本さんと楓誘うから、町田君は早坂君と羽田君を誘って」

「何をするの?」

「何って…終業式の次の日に学校でクリスマス会やろうよ。そのあと帰りに楓を送って帰って、できるならその時告白すればいいんじゃない?」

「なるほど…分かった。誘ってみるから、大野木さんも頑張って誘ってみて」

そう言われて私はうなずきました。

とりあえず次の日の昼休み、楓のいる食堂に行って

「楓と藤本さん、終業式の次の日、クリスマス会やらない?」

楓は少し考えて

「いいよ。他に誰が来るの?」

「えっと…早坂君と町田君と羽田君だよ」

「あーちゃん、あいついるけど、どうする?」

「あいつ?」

「ああ、瑠璃は知らなくていいよ」

「そう…」

藤本さん、誰かと何かあったのかな?

すると藤本さんは急にこう言った。

「楓や羽田君がいるなら、安心できるから行く」

「わかった、じゃあ行くよ」

「ありがとう」

この事を、町田君に話すと嬉しそうにありがとうと言いました。

今から頑張ってプレゼントを用意するらしいです。

といっても交換会は仕組んであって、町田君と楓、藤本さんと羽田君、私は早坂君とプレゼントを交換するようになっているのです。私も好きな人に渡すプレゼントを真剣に考えないといけないと思いました。

 ボウリング大会の日、町田君は頑張ったものの2回で201点でした。

楓も201点で同じ点数だったので町田君は少し嬉しそうでした。

そんなことより私が驚いたのは藤本さんがボウリングできるんだと思ったことです。

2回で213点ってすごいと思い、どうしてそんなに上手なのか聞いてみることにしました。

「藤本さん」

「はい。なんですか?」

「藤本さん、どうしてそんなにボウリング上手なの」

「私、運動はすごく苦手なんだけど、ボウリングだけはなぜか…昔からできちゃうんだよね」

「そうなんだ」

「ボウリングって運動神経いらないし、あーちゃんは腕の振りがきれいだから変な回転がかからないから、ボールがまっすぐに行くんだよね。だから、高得点になるんだよ」

「楓…聞いてたんだ」

「うん。それより、瑠璃は本当にボウリングだけはだめだよね」

「うん…」

私は基本的にスポーツはそれなりにできるのですが、ボウリングだけはだめなんです。

「まあ、あーちゃんは表彰されて目立つのが嫌だから、今まで手を抜いてたんだけど、彼氏ができたから頑張ったんだよね」

「楓、まだ付き合ってないよ」

「あれ?そうだっけ最近仲いいからわかんなくなっちゃてた」

「もう…」

「ごめん、ごめん」

さっきも楓と一緒に、羽田君に話しかけに来てたし、本当に仲いいんだな。

「藤本さん…」

「羽田君」

「僕のレーン、今終わったんで、駅まで送ります」

「ありがとう。じゃあ行こっか」

「うん」

「あーちゃんまた明日」

「うん、また明日」

「あーちゃんも帰っちゃたし、瑠璃一緒に帰ろっか」

私はうなずいて一緒に帰ることにしました。久しぶりに楓一緒に帰りながら楓が急に

「そういえばさ、こないだ言ってた町田君だっけ」

「うん。町田君がどうしたの?」

「いや、瑠璃に言われた後気づいたんだけど…」

「何?」

「羽田君の友達だったんだね」

「うん…そうだよ。それだけ?」

「うん。いい人そうだね」

「そうだね」

楓はそのあとは町田君の話をすることはなく、私の恋の相手も聞いたけど、私ははぐらかしておきました。

楓は恋には疎いのかなと思いました。

 翌日、終業式の後私は町田君と一緒にプレゼントを買いに行く事にしました。

一人で買いに行ったものの何を買えばいいのかわからなくなってしまったみたいです。

そこで、学校の近くにあるショッピングモールに行って、一緒に見ることにしました。

向かっている途中で

「すぐるも大変だよな。今日、見たでしょ」

そう言われてあの事かと思い

「そうだよね。藤本さんボウリング大会3位だったからその表彰で前に出た瞬間、1,2年生の男子がかわいいって騒いでたもんね」

「うん、すぐるも早く付き合わないと、他の人に持ってかれるんじゃないの?」

「心配なの?」

「うん…まあ、すぐるの相談にはよくのってたからね。かわいいのは3年生もみんな思ってることだからすぐるは少し不安だろうね」

「でも、藤本さんも最近羽田君しか見えてない感じだし、きっとうまくいくよ」

「そうだね」

そっか、町田君は友達の事も気にしてるんだ。藤本さんはかわいいから、他の誰かと付き合ってしまうこともあるかもしれないから、羽田君と藤本さんがちゃんと上手くいくように考えてるんだ。

私は好きな人に話しかけられないのは同じなのに、頑張ってるという点では私と違うなと思いました。

ショッピングモールに着いた後、いろいろ見て回ることにしたのですが町田君は優柔不断すぎて決まらず、一回フードコートで休むことにしました。

私はいちごミルクを頼んで、お金を出そうとすると町田君がコーヒーを頼んで、一緒にお金を支払ってくれました。

「ありがとう」

「いや、一緒にプレゼント見てもらってるお礼だから」

「町田君は優しいね」

「ありがとう…そんなこと言われたの初めてだよ。で…何を渡したらいいんだろう?」

「うーん…楓の何をしているときが好き?」

「食べてるところかな。女の子なのにたくさん食べて、少食の人と違って見てて安心できるし。ふっくらしてるところもかわいいと思うんだ」

「だったら…お弁当箱とかどうかな?」

「お弁当箱?」

「うん。楓、ああ見えて料理得意だし。それに最近お弁当箱壊れたって言ってたよ」

「じゃあ、お弁当箱見に行こう」

そう言って、私たちはお弁当箱を見に行きました。

そこでやっと、町田君はお弁当箱に決めたらしく、お弁当箱を買いました。

帰り道、すっかり暗くなってしまったので町田君が家まで送ってくれました。

家について

「送ってくれてありがとう。明日うまくいくといいね」

「うん。明日どんな結果でも後悔しないって決めてるから。しっかり気持ち伝えるよ」

「頑張って。じゃあ、また明日」

「うん、また明日」

そう言って町田君は帰っていきました。

明日きっと町田君は楓に告白する。

うまくいかない確率のほうが高いだろうけど、伝えるんだろうな。

私はかなわないからって、もう告白する前から諦めてる。

こんなんじゃダメなのに…でも、早坂君は藤本さんの事が今も好きだから、告白してもしなくても一緒かもしれないなと思った。

 翌日、私と町田君とで学校に早くいってクリスマス会の準備をしていると

「大野木さんって、早坂のこと好きでしょ」

私は急に聞かれて少し戸惑って

「な、何で?」

「だって、今日、俺とすぐるは分かるけど、早坂を誘ってって言ったし。それに、そう考えると結構大野木さんって早坂のことよく見てるよ」

「そ、そうかな?」

「まあいいじゃん。今日、早坂のプレゼントもらえるんだから。何もらえるか楽しみにしてなよ」

「そうだね」

そう言いながらしばらく準備してると、早坂君が来た。

「何か手伝うことある?」

そう早坂君が聞くので、町田君は少し考えて

「学校近くのスーパーでジュースとかお菓子を買ってきてよ」

「分かった」

そう言って、早坂君が行こうとしたので

「待って」

そう言って、町田君が呼び止めるので

「何?」

そう早坂君が聞くので

「大野木さんと一緒に行ってよ」

そう言われて私は思わず

「ええ、いいよ」

「でも一人じゃ持ちきれないかもしれないから」

そう言われて私は町田君の少し意地悪なやさしさに複雑な気持ちを抱きつつ

「…分かった」

そう言って私は早坂君と一緒に学校を出て信号を2つ渡ったところにあるスーパーに行きました。

スーパーに着いてから思い出したように早坂君が

「何買う?」

そう聞かれて私は

「飲み物はオレンジジュースと炭酸があればいいかな?」

緊張して声が少し変かなと思いましたが

「それでいいんじゃない。飲み物買ってくるから、大野木さんはお菓子、買ってきてよ」

早坂君はあまり気にしていませんでした。

いつも通りに話してくれます。

「分かった」

そう言って私がお菓子を選んでかごに入れて、飲み物と一緒のかごに入れて買いました。その時早坂君は持ってきたレジ袋を取り出して

「レジ袋持ってきてるから、2円引きしてください」

そう言ったり

「重いもの持つよ」

「え…いいの?」

「女子に重いもの持たせるわけにいかないでしょ。お菓子だけ持ってて」

「うん…ありがと」

彼はかなり気が利くし、すごく優しい。

こんなの誰にでもすることなのかなと思うと少し胸が痛かったです。

「早坂君、藤本さんの事…まだ好きなの?」

気づくと私はそんな言葉を口走ってしまい

「ごめん」

と続けました。

すると彼は私の頭をポンポンとたたいて

「好きじゃないけど…諦めきれてない部分もあるかな…誰か他に好きになれる人いるといいんだけど…」

そう言われて私は思わず

「私じゃ…ダメかな?」

そう言ってしまった。

すると彼は笑って

「ありがとう…考えておくね」

そう言ってくれて私にも少し可能性あるかなと思ったけど、きっと今のは優しさだろうなと思いました。

私と早坂君はそのあと話すことなくクリスマス会が始まりました。

「話さなくていいの?」

「そっちこそ」

クリスマス会が始まって、楓はいつも通りたくさん食べていて、その食べっぷりがすごくかわいいと町田君は言っていますが、私も町田君も好きな人に話しかけることができなかったです。

そんな中で仕組まれたプレゼント交換が始まりました。私と町田君はそれぞれ楓と早坂君のプレゼントに来た時にストップをかけることに決めていました。

何回か回してうまいタイミングでストップをかけられて、お互い目的通りの人のところへプレゼントが行きました。

「じゃあ、藤本さん開けてよ」

私がそう言うと、藤本さんは袋を開けました。開けた袋の中にはシュシュとヘアゴムが入っていました。

「これ誰の?」

藤本さんがそう言うけど、私はそれが羽田君のだって分かってるのですが何も言わないでおきました。

羽田君が手を挙げて

「僕だよ。藤本さんいつも髪下ろしてるから、髪をくくってるの見てみたいなって思って、できれば今度、ポニーテールとかしてくれませんか?」

「分かった。羽田君のためだったら考えておくよ」

「ありがとう。楽しみにして待ってるよ」

藤本さんに似合いそうなお花のようなシュシュとリボンのついたヘアゴムはすごく似合いそうだと思いました。

「じゃあ、次楓開けて」

「分かった」

そう言って楓が開けた袋に入っていたのは、町田君が買ったお弁当箱でした。

「かわいい…」

楓はお弁当箱を見て一番にこう言いました。いつもの楓とは違ってかなり女の子らしく見えたから不思議でした。うれしそうにお弁当箱を見ながら

「誰の?」

と楓は聞いた。町田君はゆっくり手を挙げて

「僕だよ…」

そう言いました。

楓は普段見せない本当の笑顔で

「ありがとう」

と言いました。

そして町田君もうれしそうに笑いました。

後は告白だけだ。

頑張れ、町田君。

「じゃあ、次は私が明けるね」

そう言って私が明けた袋の中に入っていたのはかわいいアザラシのキャラクターが描かれたコップとハンドタオルでした。

「これは…早坂君だよね?」

そう言うと、早坂君は少し恥ずかしそうに

「そうだよ。女子に何あげたらいいかわからなくて…それでよかった?」

「ありがとう。大事にするね」

私がそう言って笑うと、早坂君はうれしそうに

「やった」

そんな無邪気に笑って言うから、私の心拍数は急上昇してしまいました。

「じゃあ次は男子。じゃあ、羽田君開けて」

そう言われて、羽田君が袋を開けると手編みのマフラーが入っていました。

これは、藤本さんのだな。

「これ、藤本さん?」

何で、羽田君はわかるんだろうと思っていたら

「そうだよ」

と藤本さんは恥ずかしそうに言いましたが

「いや…なんで羽田君…あーちゃんのだって分かったの?」

そう楓に聞かれると羽田君は笑って

「いや…だって、マフラーのところに僕のイニシャルが入ってるから」

すると、楓は笑って

「あーちゃん、他の人に行ったらどうするつもりだったの?」

「あ…そうなること考えてなかった」

羽田君はうれしそうに首にかけて

「ありがとう」

そう言って笑いました。

「私が編んだんだから絶対あったかいよ。冬はこれで乗り切ってね」

「うん。藤本さんの温かさが伝わってくるよ。ありがとう」

「二人はまだ、付き合ってないんだよね」

楓がそう聞くと

「うん…まだだよ」

「そうだね…」

そう言って二人は顔を赤くしました。

この二人が付き合うのはもうすぐなんだろうな。そんな気がしました。

「じゃあ、次早坂君開けて」

そう言って早坂君が袋を開けると、私が買った。ネックウォーマーと手袋が出てきました。

「誰の?」

そう彼が聞くので、私はドキドキしながら手をあげました。

すると彼は笑って

「すごくかっこいいね。ありがとう。大事にするよ」

「早坂君自転車通学だから寒いだろうなと思って、これであったかくなるよ」

まあ、藤本さんの手編みの後じゃインパクト薄いだろうなと思いましたが

「ちゃんと大事にするから。ありがとう」

そう言って、彼は私に視線を合わせたので、私はさらにドキドキしました。

「じゃあ、最後町田君開けて」

そう言われて町田君が明け始めました。

町田君の袋は楓のだから、どんなのが出てくるんだろうと思ったら、袋から出てきたのは優に100個を超えるクッキーの山でした。

「それ…私の手作りなんだ。味に自信はないんだけど…」

そう言って、楓が照れるのを見てまたいつも以上に女の子らしく見えるのでした。

町田君は1個、2個と味わうように食べて

「すごくおいしい。鳴澤さん、お菓子作の得意なんだね。これ全然、何個でも食べれるよ」

「ありがとう…そう言ってくれてうれしい」

またいつもとは違って照れる楓が、私はとてつもなくかわいいと思ってしまいました。

帰り道はだいぶ暗くなったので羽田君が藤本さんを、楓は別にいいと言ったけど、町田君に送ってもらうことになりました。

私も早坂君に送ってもらうことになりました。

「頑張ってね」

私がそう言うと町田君は笑って

「頑張ってくるわ」

と言ってそれぞれの帰途につきました。

私の家は学校から歩いて20分ぐらいなのですが、ドキドキしながら、早坂君の右隣を歩いていました。

「今日さ、プレゼントすごくうれしかった。ありがとう」

「こちらこそ、タオルもコップも毎日使うから」

そう言うと彼は笑って

「ありがとう」

と言った。私はドキドキしながら家に着きました。

「送ってくれて…ありがとう」

そう言うと

「メアドとRHINE交換しない?」

そう言われて私がいいの?と聞くと

「いいに決まってるじゃん」

そう言って交換して、

「じゃあ、良いお年を」

「よいお年を」

そう言って、早坂君は帰っていきました。

今度会うのは始業式かと思うと少し寂しかったです。

すると急に携帯が鳴って誰かと思うと町田君でした。

「どうしたの?」

と聞くと、町田君は

「鳴澤さんに付き合うのは…無理だって言われたけど友達ならいいって言ってくれた。だから、友達から少しづつ距離縮めるよ」

「よかった…おめでとう…はまだ早いか。これからゆっくり頑張ってね」

「うん…で、次は大野木さんの番だよ」

「私?」

そう私が聞くと、町田君は笑って

「そうだよ。今度は大野木さんが早坂に告白する番だよ。友達として言うけど、絶対うまくいくから」

「私達、友達になってるんですか?」

そう聞くと

「俺はもう友達になってると思ってたけど…違った?」

そう言うつもりで行ったわけではないので、私は慌てて

「ありがとう…私、男子の友達初めてできたんだ」

そう返すと彼は少し笑って

「じゃあ、次は俺も友達からだけど、将来は鳴澤さんと付き合えるように頑張るから、大野木も頑張って早坂に気持ち伝えて来いよ」

そう言われて、私はやっと決心がつきました。そうだ自分から動かなくては友達にすらなれないんだ。

「分かった。私も頑張る」

「おう、頑張れ」

そう言って電話が切れた後、私は早坂君にRHINEで

「1月1日の朝6時40分に学校に来てください。一緒に初日の出見ましょう」

そう送ったずっと返信がなかったけど、大晦日になって

「分かった。行く」

と返ってきたので

「そこで、話があります」

と送ると

「分かった」

とだけ返ってきた。

 新年を迎えて、私は6時に学校に行ってずっと緊張をほぐしながら待っていました。

日が昇る直前に、早坂君は来ました。

私の隣に来て日が昇るのを見て

「きれいだね」

と言って、日が昇ってから

「話って何?」

と早坂君に聞かれて私は

「私、1年の時から早坂君の事が好きなんだ。藤本さんのこと好きなのはわかってる。けど…私じゃダメかな。藤本さんと間反対のタイプだし、手編みのマフラーなんて編めないけど、早坂君を思う気持ちは誰より強いよ」

そう言ってから、しばらく沈黙が続きようやく彼は

「藤本さんに振られてから付き合うのは、もう無理かなと思ってたけど、こないだ大野木さんに私じゃダメですかって、言われてから大野木さんのことすごく気になってる。だから…」

そう言って彼は私に視線を合わせて

「僕さすぐ、完璧に藤本さんのこと忘れられるかというと自信ないんだ。でも、大野木さんと一緒にいたら今より早く忘れられるような気がするんだ。それでもいいなら、僕と付き合ってほしいんだけど…」

そう言われて、私はうれしくて少し泣いて

「ありがとう」

そう言って、私は少し涙をぬぐって

「よろしく、お願いします」

そう言いました。

すると、早坂君は私を抱きしめて

「僕、頑張るから。絶対大野木さんのこと幸せにするから」

そう言われて、私は初めての恋が成就しました。

これから、どんどん早坂君の事で私の心を満たしていきたいとそう思いました。

私の両思いへ向けての努力は始まったばかりです。

絶対、早坂君の心を私で満たす。

そう誓いました。


AFTER SCHOOL LOVE 終わり


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