藤本 彩歌編
藤本 彩歌編
私は中学校の時、男子にモテすぎて学校の女子全員に嫌われてしまい中学校に全く行きませんでした。
男子の私に対する態度や過干渉なのが嫌で、私は男子と仲良くすることや話すことさえ苦手です。
私は高校に入るか迷った末に、見学して過干渉な男子がいなそうなこの高校に入りました。入学してからしばらくは私を可愛いと言ったりする男子もいなくて、軽音部に入り友だちと楽しい毎日を送っていました。
でも、2年生の誕生日の日一人の男子が教室に来て花束を差し出して
「誕生日おめでとう」
そう言いました。
私があまりにも唐突で誰と思ってしまったのですが、何も言わないのも変だと思い、慌てて教室を出て、渡り廊下に行ってしばらくして戻ってくると楓が心配そうにこう言いました。
「びっくりしたよね。気持ち悪かった?」
「ううん、ただびっくりしただけ」
「あーちゃんのこと、絶対に落とすって言ってたよ」
「しつこそうだね」
「まあ、何があっても、あーちゃんはあたしが守るから」
「楓…ありがとう」
楓は私にとって初めてできた大切な友達です。楓は私のことをよく理解してくれて私はそんな楓が友達として大好きです。
その後も何度か、おはようとかバイバイとかたわいもないことでいちいち話しかけてきて、私はすごく嫌でした。
そんなある日楓がキレてからはしばらく来なくなったものの彼は生徒会長になったその日教室に来て
「なあ、あやか俺に投票してくれた?」
そんなこと言われても、投票してるわけないじゃないと思って無視していると、近づいてきたので、私は後ずさりしました。
楓が私の前に立って
「あんたなんか生徒会長になっちゃダメじゃん。あーちゃんも私も誰もあんたなんかに投票しないよ。信任投票なんだから、誰だってなれたよ。私たちが誰か他に候補出してたら…あんた勝てないよ」
そう言うと、何も返せないのか彼は何もしゃべらなくなりました。
私は彼の前に立って
「彩歌って呼ぶのやめて。気持ち悪いから」
「じゃあ、名字教えてよ」
「嫌。あなたは私のこと諦めてください」
「無理だよ…だって好きなんだから」
「気持ち悪…」
「何言われたって、あきらめるつもりないから」
そう言って去っていきました。
この人だけはしつこくて過干渉で嫌な人だなと思いました。
しかも彩歌って呼ぶし本当に気持ち悪いです。私は絶対あの人を好きになることはないだろうなと思いました。
4月になり、3年生になりました。
楓や悠里子とも同じクラスですごくうれしいと思っていたら楓もそう思っていたらしく
「あーちゃん、今年も同じクラスだね。3年間同じクラスってあたしうれしい」
「ありがとう。私もうれしいよ」
「あいつからは私がまた守ってあげるから」
「楓、ありがとう」
楓と悠里子は私の席の両隣となり、また楽しい1年が送れるかなと思いました。
保健週間の時、私は少しうれしかったです。なぜなら身長がまた一㎝伸びていたのです。
「あーちゃん何cmだった?」
「155cmだった」
「あたしと一緒だ。あーちゃんまた身長伸びたね」
実は私は高校に入ってから身長が少しづつ伸びています。
お母さんは身長が私より小さいから、少しお父さんの血を受け継いでいるみたいです。
私は一人っ子で、お母さんとよく姉妹に間違われるくらい仲がいいので、私はどんなこともお母さんに相談しています。
男子が苦手でもおしゃれでいたいと思うし、メイクもたまにはします。
でも、またモテないように気をつけなきゃまた学校に行きにくくなっちゃうと思っていました。
中学の時から学校が終わったらすぐに帰りなさいと言われていてしっかり守っています。でも、高校では軽音部に入りたくて、相談したら学業との両立と終わったらすぐ帰ることを約束して入部できました。
だから、一週間に一度のバンドの練習も終わったらすぐ帰るのですが、楓がうまくいってくれているのでみんな理解してくれてうれしかったです。
四月の終わり、遠足がありました。私はいつもの時間の電車に乗って学校に行くと、楓も来てなかったので心細かったですが、まだあの人も来てないし、少しほっとしました。しばらくして楓が来て
「あーちゃん、おはよう」
「…おはよう」
私は他の男子に聞こえないように小さく言いました。
そして楓は今来たあの人から私が見えないように立って
「最近あいつさ、しつこくなくなったよね。諦めたのかな?」
「そうだといいんだけど、様子見てるだけかもしれないし、よく分かんない」
そんな話をしてるうちに集合時間になり、駅に向かって歩き始めました。
駅に着いてから電車で向かう間も私たちはあの人に私が見えない車両に乗りました。
着いてからも博物館の中に入ってもあの人に見えないようにして見て回りました。
でも、周りにあの人がいなくても視線を感じるのですが、気のせいなのでしょうか。
見終わった後、お昼ご飯を食べている間、楓が私のお昼ご飯を見て急に
「あーちゃんって本当に少食だよね。でも、その割にはそんなに太くないよね」
「私、最近太ってきてて体重落とさなきゃいけないなって思ってるの」
「あーちゃんの体形で太ってたら、あたしは何なの?」
少し場の雰囲気が静まって、私は慌てて
「楓、ごめんね」
「いいよ、人それぞれ理想の体形っていうのがあるし、私はこの体形で太ってるって思ってないけど、あーちゃんは今のままがいいよ」
「楓、ありがとう」
楓はいつも隣で笑ってくれて、私が言いすぎたりして傷ついたと思って気にすると、大丈夫って言って笑ってくれる。
私はこの学校に来て楓と仲良くなって、楓を通じて軽音部に入って悠里子や朱音と仲良くなって、私のこと好きになる人が出てきても、あーちゃんがかわいいからだよって言って、みんな気にする様子もない。
この学校で私は本当によかったと思っていました。
あの人が諦めたのかなと思っていたら、映画鑑賞の日に急にあの人は私のところに来て
「あやか、隣の席で映画…」
「嫌!」
あの人が言い終わらないうちに私はびしっと言いました。
大体何を言いたいのかなんて、分かってます。私は好きでもない男子と隣で映画見るとか絶対に嫌です。
あの人はそれでもあきらめず、近くで見ようとするので隣にいた楓が
「近いから、嫌だよね」
そう言われて私がうなずくと楓は分かったと言って、急に
「あたし真ん中で見たいな」
そう言って立ちました。
私と悠里子に着いてきてと言うと、端に座っていたあの人に向かって
「立てよ、邪魔なんですけど」
そう言って立たせました。
そして私が通り過ぎてから
「残念でした。ばーか」
と楓は言って真ん中のほうに行き、同じクラスの男の子の名前を呼びました。
「そうだけど」
と返すと今度はいつも使う営業スマイルで
「席、変わってほしいんだけどいいかな?」
と言いました。羽田君と言うその人は明らかに困っていたので、私がもういいよと言おうとすると、今度は隣の人がいいよと言ってその隣の人にも変わってくれるように言ってくれました。
本当はその変わってくれるように他の人にまで言ってくれた人にお礼を言わなきゃいけないのに私は気づくと楓が先に代わってといって困らせた羽田君に
「譲ってくれてありがとう…」
と言っていました。
羽田君は少しうなずいて顔をそらした。
どうしたんだろう?
なんで私のこと見なかったんだろう?
こんな人初めてでした。
いつも話すと、どの人も私のことをずっと見てくる。
それが嫌でした。
でもこの人は違う。そんな人がいて少しうれしいと私は思いました。
修学旅行に行くつもりはなかったし、あの人のこともあって嫌だったけど、楓を一人にはしたくなかったので私は行く事にしました。バスの中でも飛行機の中でも私は楓の隣で寝てしまいました。
あの人はどちらの時もかなり離れていたから安心できたんだと思います。
私は本当に朝に弱くて学校のある時でさえ眠たくて休み時間はよくうとうとしているけど、あの人に寝顔は見せたくないから最近は眠いのを我慢していたのですが、やっぱりまだまだ朝は眠いです。
寝る時間も夜遅いからかな?
少し観光をした後、ホテルについて晩御飯を食べました。
私がそんなに食べれなくて
「楓、食べてほしいんだけど」
そう言うと楓はいいよと言って全部食べてくれました。
本当に楓はたくさん食べる、少しふっくらしているくらいで太ってないと楓は言ってるし、私もそう思っています。
中学の時、お昼ご飯をそんなに食べなくて、先生には文句言われるし、女子には小食のふりしてかわい子ぶってると言われて本当にさんざんでした。
高校に入ってからは私が小食でも文句を言う人はいなくて本当にうれしかったです。
私はみんながお風呂に行っている間は部屋にいました。
誰も部屋に残ってなかったので外に出ようとも思いましたが、楓に心配されてたので部屋にいました。
スマホを見るとお母さんから楽しい?とのRHINEが来ていたのでうんとだけ返事をしておきました。
夜の自由時間の時に誰か来たので楓が出ていきました。
私が気になって見に行くと
「何?」
と言って楓があの人の前で仁王立ちしていました。
私はあの人に見えないところに隠れて、聞いていると
「あーちゃんに何か用?」
「そうだけど…」
「残念だけど、あんたに会わせるつもりないから。ほら帰って」
そう言って追い返しました。
楓が戻ってきたので
「楓、ありがとう」
「大丈夫だよ。あーちゃんは私が守るって言ったじゃん。せっかくの修学旅行なんだし楽しもうよ」
そう言われて私はうなずきました。
翌朝、みんなが寝ている間にお風呂に入りに行きました。
この時間なら寝てるはずと思っていくとだれもいませんでした。
ついつい長風呂をしてしまいのぼせかけてしまいそうになったのでお風呂を出て、少し髪を乾かしてお風呂を出ると、この間席を譲ってくれた人が歩いて来るのが見えました。
その人は私に気付いて見えないふりをしてくれました。
本当にやさしいんだなと思って、何か言わなきゃと思って私が通り過ぎる時に
「おはよう…」
そう言って通り過ぎました。
変な声じゃないかなとかどんな反応なのかなとか気になったけど後ろは振り向かないようにしました。
朝ご飯を食べた後、目的地に向かっているバスの中でお菓子を持ってあの人が
「あやか、お菓子あげるよ」
「…いらない」
私はただでさえ、朝ご飯を食べたばかりでお腹いっぱいなのに食べたくなくてそう言うと隣にいた楓が
「ちょっと、あんた何考えてるの。あーちゃん最近少し太ったって気にしてるんだよ」
楓…何言ってるの…
それは言わないでほしいのに…それを他の人がどう思うとか考えたけど、あの人は私に向かって
「別に…太ったと思えないし。あやかはどんなに太ったとしてもかわいいよ」
私はその一言がすごくうれしかったです。
「ありがとう…じゃあもらう」
「あやか、今俺の事…」
「好きに…なってない!」
「でも…今、間あったでしょ」
「ほら、用が済んだら帰って」
また、楓に時間切れと言わんばかりに追い返されたのですが、私が思っていたよりも本当はいい人なんだと思いました。
誤解していたことを謝りたいと私は思ってしまいました。
翌朝、朝日を見ようとホテルの展望台に行って、朝日が昇るのを待っているとあの人が来ました。
あの人が引き返そうとするので、私は少し緊張しつつあの人のところに行って
「ちょっと話があるんだけど」
そう言って、さっき私がいた所に行ってもらいました。
私は後ろを男の人が歩かれるのが嫌なので先に行ってもらいました。
あの人が
「話って何?」
と聞かれて私はつぶやくように言う事にしました。
「あなたのこと、誤解してた。うっとうしくて嫌な人だなと思ったけど、優しいんだね」
「そう言ってもらえると、すごくうれしい。ごめん…今顔、見ないで」
あの人が照れた顔を隠したので思わずかわいいというとその人は顔がさらに赤くりました。私たちは朝日を見た後、時間差をつけて帰りました。帰ると楓が気にして部屋の外で待っていました。
楓は私を見て
「あーちゃん帰ってくるの遅くて心配してたんだけど、大丈夫だった?」
私がうなずくと楓は良かったと言いました。朝ご飯を食べた後、少し観光してから飛行機に乗りました。
飛行機の中で私はまた寝てしまいました。
私は人生で最初の修学旅行がとても楽しい思い出となりました。
でも、楓の食欲には相変わらずついていけないと思いました。
修学旅行から帰ってきてからもう一か月が立ちました。
私はテストに向けて勉強していました。
明日からテストかと思いながら学校に行くとあの人が下駄箱の前で立っていました。
私が何でそこに立っているんだろうと怪しみながら下駄箱に行って靴を履きかえていると
「放課後に3-1の教室で話があるから、来てくれる?」
「…分かった」
そう返したものの、ドキドキは止まらなかったです。
これって…告白ってことなのかなと思いました。
それから一日はすぐに過ぎていき、あっという間に昼休みになりました。
楓に相談しようと思ったけれど、今日は楓が休みで、悠里子に相談しようと思って、お昼ご飯の時に相談してみました。
「今日、4時10分に3-1の教室で待っててって言われちゃった」
「え…生徒会長に?」
「うん…これって告白だよね。悠里子…どうしよう?」
「行ってみたら?楓がいたら反対するだろうけど、悪い人じゃなかったんでしょ」
「え…なんで知ってるの?」
「ごめん、修学旅行の時の生徒会長との会話聞いちゃった。悪い人じゃないなら、ちゃんと聞いてみたらいいと思う」
「分かった…行ってみる」
「がんばってね」
悠里子は仲はいいけど、楓と違って少し私と温度差がある気がしていました。
勉強もすごくできるし、私よりすごくクールで言いたいことははっきり言うから、私のこと嫌いなのかなって思ってました。
でも、悠里子の一言で私は行こうと決心することができました。
放課後、私は3-1の教室に行きました。
ドキドキが…ドキドキが最高潮に達していました。
「話って…何?」
ドキドキしながら私が言うと、彼は慌てて立って
「藤本さんのことが、1年の時から好きです。僕と付き合ってください」
「私、今は誰とも付き合いたくないの。だから、ごめんなさい。付き合ったりすることはできません」
そう言うと私は慌てて教室の外に出て3-3の教室に行って自分の席に座りました。
私はドキドキが収まらなかったです。
私のことをかわいいという男子はたくさんいました。
けど…告白する人はいなかったです。
なので、私は人生で初めての告白されるという経験をしてすごくドキドキしていました。次の日からのテストの間、私は全く集中できなかったです。
最終日、私は教室で勉強していました。教室には羽田君とその友達がいました。
私は楓たちが教室に戻ってくる前に、羽田君が出て行こうとしたので
「頑張って…」
と言いました。
彼は少し恥ずかしそうにうなずいて出ていきました。なんででしょうか?
羽田君とは普通に話せる気がするんです。
球技大会や終業式には私は行かなかったです。
高校生活で初めて学校を休みました。成績は楓あたりが届けてくれるのかなとか思いながら、家にいると、家のチャイムが鳴ってお母さんが出て行ってだいぶ長いやり取りだなと思っていたら、お母さんが上がってきて、私の部屋に入ってきて
「彩歌、お客さん」
「誰?」
「同じクラスの男の子だって」
え…誰だろう私はどうしようと思ったが、修学旅行でも来ていたピンクのルームウェアに着替えて下に降りました。
リビングにいたのは羽田君でした。
「どうしたの?」
私は少し驚いてしまいました。どうしたんだろうと思っていたら
「先生に言われて、通知表とか持って来たんだ」
何だそんなことかと思いました。
でも、楓たちはどうしたんだろう?
「楓とか悠里子とか朱音は?休みだったの?」
「そうみたいだね。ごめんね。家に入るつもりはなかったんだけど…」
楓たちも休んだんだ。
なんか申し訳ないな。
また今度謝っておこうと思いました。
でもほかに話したそうだな…どうしたんだろう?
「いいけど、何?」
「え…何って?」
「いや、何か聞きたそうだから…」
そう言うと彼は私に単刀直入に
「いや、球技大会も来てなかったし…風邪?」
「違う…」
「じゃあ何?」
本当は話したくなかったけど、私は話す事にしました。
「私、人生で初めて告白されたの」
「誰に?」
こんな過干渉に聞かれるのは嫌なはず…なのに何でだろう…
羽田君には話したくなる私がいました。
「生徒会長。なんとなくそんな気はしてたんだけど…」
「で…返事は?なんて返したの?」
「なんで…そんなこと聞くの?」
そのことを聞くと羽田君は急に黙ってしまいました。
まあ、聞かれても彼は誰にも言わないだろうかと思って私は言うことにしました。
「断ったよ。だって私誰も好きになるなんてありえないから」
そっかとつぶやくと彼は少し残念そうでした。どうしてと思ったけど、今は聞かない事にしました
「それで、学校に行きたくないなって思ったんだ。けど…また、2学期から少し学校休むだろうけど、頑張っていくつもり。ただ…断った後どうしたらいいのかわからなかっただけだから」
「2学期来てくれるの、待ってるから」
そう言われると、すごくうれしかったです。
「…ありがとう」
「あの時と同じだ」
そう言われて、いつの事と思い、聞いてみると
「あの時って?」
「いや…別にいよ。あ…もう帰らないといけないから」
「今日はごめんね。明日全国大会でしょ」
「知ってたんだ」
「毎年出てるから知ってるよ。頑張ってきてね」
私は気づいたらまた頑張ってといっていました。
なんで…でしょう羽田君のことを応援したくなってしまいます。
そして彼が帰った後、私は今日の私がいつもと違い男子と話せたことに驚いていました。
夏休みは特にすることもなく過ぎてしまいました。
楓も悠里子もバイトが忙しいらしく、私は夏休みはほとんど家にいました。
始業式も私は休んでしまい、次の日学校に行くと
下駄箱で偶然生徒会長と一緒になりました。
「おはよう」
そう言われましたが、私は恥ずかしくて、彼の顔を一回見て、行こうとすると
「どうしたの?」
と聞かれて私はつい大きな声で
「私に近づかないで」
言って教室に走っていきました。
そのことを楓に相談すると、もう会わないようにしようということになり、一緒の場所にいる時は顔を隠したりして視界に入らないようにしたりしながら、毎週一回私は学校を休みました。
生徒会長に対して、私を好きにならないでほしい…諦めてほしい…そう思いました。
文化祭準備の間、私は学校をずっと休んでいました。
でも、明日の文化祭は舞台で軽音として演奏しなければいけなくて、最近はまったく練習できてないので不安でしたが楓も朱音も待ってると言ってくれているので、行くことにしました。
学校に着くと、生徒会長と偶然出会いました。私が無視して行こうとすると、生徒会長は私の腕をつかんでいました。
「離して…」
そう言って私が振り払って
「何?」
と聞くとしばらく何も言わなかったので、私が立ち去ろうとした時、
「やっぱり諦めるなんてできないし、あやかのことが好きなんだ。付き合うのが無理なら友達からじゃダメかな?」
そう言われたので、私は振り向いて
「あなたと付き合うのが無理なんじゃないの。あなたと仲良くするのが嫌なの。だから友達からも嫌。お願いだから、諦めてよ…」
そう言って、気づくと私は泣いていました。急に彼が私を抱きしめて
「もう少しこのままでいさせて」
そう言われたので、しばらくだけ我慢しました。
その後、彼が立ち去ろうとしたので
「好きになってくれて…ありがとう」
そう言うと彼は笑って、どこかに行ってしまいました。
軽音の演奏は大成功で二曲とも、何とかキーボードをミスする事なく弾けました。
私が高校最後の演奏を終えて、ホールの外に出ると
「藤本さん」
そう言って、羽田君が私の名前を呼びました。どうしたんだろうと思って聞くと
「何?」
「こっちに来て」
そう言われて私は羽田君と一緒に誰もいない教室に行きました。
「何?」
ともう一回聞くと
「藤本さんのことが高校1年生の時から好きだったんだ。避けられてしまうかもしれないっていうのは分かってる。けど…卒業も近くなってきたしちゃんと伝えたいんだ。僕は藤本さんのことが好きです。僕じゃ…ダメかな?」
私は少し驚いてしまいました。
羽田君が私のことそんな風に思っててくれたなんて、私は少し考えて
「友達からなら…いいよ」
そう言うと彼はほほ笑んで
「じゃあ、それでよろしくお願いします」
私はまだ好きではないけど、何かと気になってしまう羽田君と友達になりました。
これから、私が好きになるかどうかは羽田君次第だな。
大野木 瑠璃編に続く




