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早坂 航編

早坂 航編

僕は中学の時モテてモテて仕方がなかった。中学校の中でどの学年の女の子もみんな1度は僕の事を好きになった。

適当に言って断るのだが、告白されるのはいつも面倒だった。

高校に入ると、モテることはなくなったけど、好きになる人はかなり多くいて告白もよくされた。

そんな中で僕は一人の女の子に恋をした。体育の時間、隣のクラスの女の子に目が行った。子どもっぽく幼い雰囲気だけど、黒髪がきれいで、お嬢さまな雰囲気の女の子。

ただ、男子に対して警戒してて、話しかけないで感が強かったけど、僕は恋に落ちて2年生の秋に彼女の誕生日に、花束をもって学校に行き、彼女の教室に行って

「誕生日おめでとう」

そう言って渡そうとすると少し…いや、かなり驚いて、後ずさりして走って行ってしまった。

すると、隣の席にいた女の子が

「あーちゃん、男子苦手だからそういうことやめてもらえる?」

と言った。僕はそんなことを気にせず

「あーちゃんっていうことは、名前あやかなの?」

そう言うと、友達は

「教える必要ある?ないでしょ。とりあえずほっといてあげて」

僕が好きと言って恋に落ちない女の子はいないはず…と思っていたけど、初めてそんな女の子に出会った。

「絶対、落として見せる」

そうつぶやくと、友達は

「気持ち悪…」

とつぶやいたが聞こえないふりをした。

何回かその後も彼女に話しかけたがまったく相手にされず

そして今年の文化祭であの子の軽音の演奏を見てすごくかわいいと思った。キーボードが似合いすぎて、終わった後、隣の席に座ってほめてみたけど、無反応だったうえに、友達には突然キレられて帰れって言われるし散々だった。

全然ダメなまま冬になり、話しかけることもできなくなり、僕は生徒会長になろうと思い立候補して、生徒会長になった後、勇気を出して彼女の教室に行って

「なあ、あやか俺に投票してくれた?」

そう言うと彼女は全く返そうとせず、無視していた。

友達が僕に詰め寄ってきて

「あんたなんか生徒会長になっちゃダメじゃん。あーちゃんも私も誰もあんたなんかに投票してないよ。信任投票なんだから、誰だってなれたよ。私たちが誰か他に候補出してたら…あんた勝てないよ」

そう返されて何も返せなかった。

確かに信任投票なんだから、生徒会長になって当たり前かもしれないな。

そう思っていると、あやかが僕の前に来て

「彩歌って呼ぶのやめて。気持ち悪いから」

「じゃあ、名字教えてよ」

「嫌。あなたは私のこと諦めてください」

「無理だよ…だって好きなんだから」

「気持ち悪…」

「何言われたって、あきらめるつもりないから」

そう言って僕は追い出されるように教室を出た。

「どうしたら、いいと思う?」

放課後僕は中之条先生のところに行って相談していた。

中之条先生とは家が近くの幼馴染だ。ずっと担任で僕の相談によく乗ってくれる。

「藤本は押せ押せじゃダメだって、ある程度引きつつ押すのがいいと思うぞ」

「それにしてもあの男子への警戒っぷりはすごいと思う。なんか昔にあったのかな?」

「知らないよ。藤本は担任に一回もなってないし、知っててもお前には教えない」

いつも相談に乗ってくれてうれしいけど、ぼくはいつも的確だと思うけど…たまに的確すぎてどうしたらいいのかわからなくなる。

帰り道も考えてみたけど、来年しっかり生徒会長としていいところをアピールしようと思った。

結局どう頑張ってもあの子が恋に落ちることはないのかなと思った。

四月、僕はまた中之条先生が担任のクラスになった。

あの子とは結局一度も同じクラスになれなかった。

去年同じクラスだった人も、あの子と同じクラスになれているのに僕は一緒のクラスになれなくて残念だった。生徒会長としての仕事は本当に多く、始業式、入学式、歓迎会といろんなところで、全校生徒の前に立ってあいさつした。

オープンキャンパスでも挨拶しなきゃいけないらしく、毎回文章を考えるのは大変だけど、やりがいはすごくあった。

でも、全校生徒の前に立つとあの子は後ろを向いていて、僕のほうを見ようともしてくれなかった。

結局今年が最後なのにうまくいかないまま終わってしまうのかな…なんて思うと、どうしようもない気持ちでいっぱいだった。

遠足は僕はあまり好きじゃない。僕は女子からモテるから男子に仲のいい友達はあまりいない。

いるとしてもたまに話したりするくらいで、遠足の日にまで一緒にいるような友達はいない。

でも、中之条先生は僕に唯一親しく接してくれる。頼れるお兄ちゃんみたいな感じだった。お昼ご飯を食べながら先生が

「最近、藤本とはどうだ?引いてみているんだろ。どうなんだ?」

「全然だめですよ。押せ押せだったらしつこいと言われて、引いてみたらまるっきり無視ですよ。どうしたらいい?」

「だから前も言ったろ。引くだけじゃダメ。適度に押さないとって。そうすれば、きっとうまくいくよ」

中之条先生に言われると安心した。

僕は早速それを実践してみようと思い、映画鑑賞の時に藤本さんにこう言った。

「あやか、隣の席で映画…」

「嫌!」

言い終わってもいないうちから拒否されてしまった。

何とかして一番近くの席に座ったけど、藤本さんの友達が急に

「あたし、真ん中で見たいな」

そう言って藤本さんと一緒に真ん中のほうへ行こうとした。

僕は一番端に座っていたためその友達は僕に向かって

「立てよ、邪魔なんですけど」

そう言って僕が立つと

「残念でした。ばーか」

といって真ん中のほうに行ってしまい、結局僕の作戦は失敗に終わってしまった。

どうしたらうまくいくんだろう?そう考えても答えは出ないし、ますます彼女との距離は離れていく一方だ。

もうすぐ修学旅行…何か変わればいいなと少しだけ期待していた。

修学旅行当日僕はすごく落ち込んでいた。事の始まりは修学旅行の予定が配られた時だった。

違うクラスだとほとんど別行動なんだとわかって残念だった。

でも…何とか会える時間を作りたいと思った。北海道に行く飛行機も観光もバスの中でさえもクラスごとだった。

あの子たちは距離をとっているのか一番離れた席に座って話す機会さえ、作れなかった。夜の自由時間の時に、会いに行った。

すると、あの子の友達が出てきて入口で仁王立ちして

「何?」

と言った。その迫力はすさまじいものだった。

「あーちゃんに何か用?」

「そうだけど…」

「残念だけど、あんたに会わせるつもりないから。ほら帰って」

そう言って追い返された。

どうしたら会えるのだろうガードが…固すぎる。

翌日バスの中でお菓子を渡そうと思って

「あやか、お菓子あげるよ」

「…いらない」

「ちょっと、あんた何考えてるの。あーちゃん最近少し太ったって気にしてるんだよ」

「別に…太ったと思えないし。あやかはどんなに太ったとしてもかわいいよ」

「ありがとう…じゃあもらう」

「あやか、今僕の事…」

「好きに…なってない!」

「でも…今、間あったでしょ」

「ほら、用が済んだら帰って」

また追い返されたけど、今までとは違ってちゃんと話せたような気がする。

距離少しは縮まったかなそんな気がした。

その後も話す事がなかった。

翌朝、朝日を見ようとホテルの展望台に行くと、あやかがいた。

引き返そうとすると、あやかはこっちに来て

「ちょっと話があるんだけど」

そう言われて僕は展望台の端まで行った。

「話って何?」

「あなたのこと、誤解してた。うっとうしくて嫌な人だなと思ったけど、優しいんだね」

「そう言ってもらえると、すごくうれしい。ごめん…今顔、見ないで」

僕は照れた顔を隠した。

すると彼女はフフッと笑って

「かわいい…」

と言った。

その後僕の顔はさらに顔が赤くなってしまった。

朝日を二人で見た後時間差をつけて僕は帰った。

帰ってきた後中之条先生は僕の頭をポンポンとたたいて

「頑張ったな」

と言った。

 修学旅行から帰ってきて、もうすぐ1か月がたつけど、クラスが違うからか藤本さんと話す事も話しかけに行く事もしなかったので、会うことが少なくなった。

このままではよくないと思ったけど、ガードが固すぎて、告白なんてできないと思ったが朝早く来れば告白できるんじゃないかと思った。明日はテスト前日だからまだ勉強の邪魔にならないはず…そう思い、明日告白することにした。

翌日僕は朝早く学校に行って玄関で待っていた。

藤本さんが早く来るかも、友達と一緒に来るかもわからない。

きっとうまくいく。そう信じて1時間待った。友達が訝しげに僕を見て通って行った後、藤本さんが来た。

藤本さんは僕を見て訝しげにしながら通り過ぎて行こうとした。

下駄箱で靴を履きかえている藤本さんに僕は

「放課後に3-1の教室で話があるから、来てくれる?」

「…分かった」

そう言った彼女の表情は少し嫌そうにも見えたが、今日言わないと男じゃない。

だから言おうと思った。

僕は今日一日の時間がたつのがすごく早く感じた。止まってくれればいいのにとも考えたが、掃除も簡単に終わり、僕は3-1の教室で待っていた。

時間はもうすぐ約束の時間…来るかどうかわからないなと思ったが藤本さんは時間通りに教室に入ってきた。

僕の眼の前に立って

「話って…何?」

そう言った表情は、訝しげだった。僕は慌てて立って

「藤本さんのことが、1年の時から好きです。僕と付き合ってください」

「私、今は誰とも付き合いたくないの。だから、ごめんなさい。付き合ったりすることはできません」

僕は何も言えずにそこに立ち尽くしてしまった。

あの子は、外に出ていった。

僕はもう一度椅子に座った。誰も好きになれないのはいつまでなんだろう?

いつになったら好きになるつもりなんだろう。

 あの子はテストの後、球技大会も終業式も来なかった。

夏休みの間僕は何も手がつかなかった。

2学期を迎えた。始業式にあの子は来てなくて、会いたいという気持ちだけが強くなっていた。

次の日久しぶりにあの子が学校に来ていた。下駄箱で偶然一緒になって

「おはよう」

そう言うとあの子は僕の顔を一度見て無視して行ったので

「どうしたの?」

と聞くと急にあの子は大きな声で

「私に近づかないで」

と言って走って行った。

その後、あの子い僕が話す事はできなかった。友達もあの子も警戒していて教室に近づくことさえできなくてもうどうしようもない感じだった。

避けられたり、顔を見ると顔を隠したりして僕の視界に入らないようにしていた。

そして、文化祭の日が来た。

僕は偶然下駄箱であの子にあった。あの子は僕を無視していこうとした。

僕は気づくと彼女の腕をつかんでいた。

「離して…」

そう言って、僕の手を振り払って

「何?」

そう言った。僕は何とか言おうとしたがしばらく何も言えず、あの子が立ち去ろうとした時

「やっぱり諦めるなんてできないし、あやかのことが好きなんだ。付き合うのが無理なら友達からじゃダメかな?」

そう言った。

するとあの子は振り向いてこう言った…

藤本 彩歌編に続く


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