貨物コンテナ
掲載日:2014/11/06
それは、初めて間近で見た時と同じだった。
大きなコンテナが、目の前にある。
「それでは、受領印を」
厚板に付けられている紙へ、サインを書く。
「はい、ありがとうございます」
とうとう買ったのだ。
このコンテナを。
小学生の時、初めて貨物用のコンテナを見た。
その大きさに圧倒されたものだ。
そして、まるで住めるのではないかという印象をよく覚えている。
あれから数十年が経っているが、想いは変わらない。
少々小さくなった印象はあるが、それは俺が大きくなったということだろう。
実際にコンテナに住むということは無理だとしても、買った31フィートコンテナは、何をするにしても便利なコンテナだ。
老朽化していたのを放出していたので、それを安く買ったわけだ。
ただ、雨漏りはしないし、風も入らない。
何かあった時には、ここに逃げ込めるという方法もあるだろう。
庭にドンと置かれたそれを眺めながら、中をどうしようかと、ゆっくりと考えた。
時間はたっぷりある。
なにせ、俺のコンテナだからだ。




