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neo

ドラえもん neo

作者: 辻 卜伝

江戸時代・・・


吾作の家は小作農家のため

とても貧しく

働いても働いても苦しい

生活であった。


吾作家は

吾作の両親と嫁

子供2人の6人家族


春先は種まきや田植え

畑や田んぼで

やることは山ほどあり

非常に忙しかった。


猫の手も借りたいくらいの

忙しさだったので

子供達も朝から晩まで

手伝わされた。


子供達も長男・太郎は7歳

長女・花子は5歳のため

遊びたいざかりの年頃だが

文句の一つも言わずに良く働いてくれた。


忙しくても暮らしは一向に

楽にはならず

明日の食べる物にも苦労する

ほど困窮していたが

そんな中でも明るく楽しい

家族に吾作は、

裕福な暮らしを

させてあげられない

申し訳なさと

感謝の気持で、いっぱいであった。


しかし無口で不器用な吾作は

「ありがとう」の言葉を言い出せずにいた


「農作業が一段落したら

子供達と遊びに行ってやろう」

と頭の中では考えていた。


田畑の仕事も、ある程度終わり

夕飯を済ませた雨の日の夜・・・


吾作はボソリと言った

「明日、晴れたら釣りにでも行くか?」


それを聞いた子供達は

よほど嬉しかったのか

飛び跳ねて喜ぶ。

無理もない、最近は毎日

仕事の手伝いをさせられていたのだから・・・


その夜は子供達は夜遅くまで

寝付けない様子だった・・・


翌朝・・・

前日の雨も上がり

雲一つ無い快晴だった


子供達は誰よりも早く起き

晴れている事を確認すると

釣りの準備をする


準備をしていると

やっと母親が起きて来て

朝食を作り始める。


その後、吾作達も

眠い目をこすりながら起きて来る


朝食を家族全員で食べると

吾作は子供達に手を引かれて

近所の池へと釣りに出掛けて行った


子供らはスキップをし嬉しそうだ

吾作も久しぶりの休みで

好きな釣りなので楽しみだった


池に着くと早速、釣りを始める!

いつもは良く釣れる場所なのだが

今日は、さっぱりアタリが無かった。


子供達はすぐに飽きて

遊び始めてしまった。


「あまり遠くに行くんじゃないぞ!」

吾作は注意したが太郎達は

そんな事は、おかまいなしに

キャッキャと騒いでいる・・・


「しかし、釣れないな・・・」

吾作が独り言を言っていると


さっきまで五月蝿うるさかった

太郎達の声がしなくなった・・・


吾作は子供達を見ると

2人とも池の一点を見たまま動かない


「どうしたんだ?」

吾作が聞いても答えない

微動だにせず池の中のアル物を見つめている


吾作は心配になり2人のところへ走る!

「何をしている?」

近くまで行って声を掛ける。

するとハッ!と我に返った太郎が

「父ちゃんあれ!」

と池を指差す。


吾作が指差された場所を見ると

そこには・・・


人間が、うつ伏せに水面に浮かんでいる

体格や服装から男性だと言うことはわかる

しかし青い着物はボロボロで

髪はボサボサ、見えている肌は青白く

明らかに生きてはいなかった・・・


吾作は叫ぶ

「あ、あれは、土左衛門どざえもんだー!」


土左衛門

どざえもん

ドラえもん


※土左衛門=水死体


・・・・・・・・



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― 新着の感想 ―
[一言] なんだろうか・・・ しみじみに笑いが・・・ ドラえもんwww
[良い点] オチが面白かったことです。 [気になる点] 「スキップ」という言葉は、江戸時代まだなかったので、時代に合いません
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