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高級自炊宿

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。

「さあね? まあ、あたしの『脳内の上司』みたいなもんよ。テキトーよテキトー。さて、稼いだお金で....。」


ルナはリュンヌを一瞥し続けた。


「まずはあんたのその、薄汚れた革鎧をどうにかするわよ。コスパ最悪の装備なんだもん、それ。」


「....これ、私の....相棒、なのに....っ。」


「相棒だろうが何だろうが、守るべき時に守れない装備はただのゴミ! 買い換えるわよ。投資よ、投資!」


またもや「とうし」という呪文が飛んできた。リュンヌの精神的HPは、朝から削られっぱなしである。


「あたしはあそこで立ったまま声張り上げるわけよ。服も汚れるし、喉も渇く。」


ルナはもう一度、自分の大変さを語り出す。

どうやらリュンヌを説得するためのアピールのようだ。


「相応の体力の消費つまりコストよ。ならそれに見合う対価を頂かないと。これでもまだ不満?」


ルナはリュンヌの顔をのぞき込む。


「....うぅ、むずかしすぎて....言い返せない....っ。」


リュンヌはぱっちりとした瞳を潤ませ、ぐうの音も出ない自分に腹を立てた。


ルナの言い分は、聖職者の慈悲というよりは、冷徹な商人か、あるいは得体の知れない「ぎょうむ」というものをこなす専門家のそれだ。


「....喉、渇く....わかる。汚れ、るのも....わかる。でも、神官様なのに....『こすと』とか....。」


「いい? 祈りはタダじゃないの。私のこの美声と、高度な教義の要約能力! 」


リュンヌの言葉がルナに無駄に油を注いだようだ。


「これを維持するために、どれだけの『じこけんさん』に時間と食費がかかってると思ってるのよ。」


ルナの鼻息がふんすと荒くなる。リュンヌは反論したことを後悔した。


「赤字で聖職者やってるなんて、神様に対する最大の冒涜よ。」


ルナはふんぞり返り、手にした革袋を景気よく振った。


チャリン、という金属音が、リュンヌの耳にはまるでルナに調教される合図のように響く。


「....わかった....わかったから....。でも、私の相棒....ゴミって言うの、....取り消して。....大切。」


革鎧をそっと撫で、頬を震わせる。ルナはそれを見て、一瞬だけ「ちっ」と舌打ちをしたが、すぐに鼻を鳴らした。


「....わかったわよ。じゃあ、『コスパの悪い思い出の品』に格上げしてあげる。」


リュンヌの気持ちは、なんとかルナに伝わったようだ。リュンヌは肩から少し力が抜ける。


「その代わり、性能を補う追加装備はいずれ買ってもらうわよ。これ以上の妥協は、私の『ボディーガード管理責任』に問われるからね!」


「....かんり、せきにん....?」


またもや意味不明な言葉を吐きながら、ルナは迷いのない足取りでリュンヌをまた引きずって進んでいく。


着いたのは少し小綺麗な宿だ。

ルナはカウンターの前に立つと「二人部屋をお風呂に入れる料金でお願いしますわ。」と言う。


リュンヌは目の玉が飛び出そうになる。贅沢極まりない。


「ふ、ふろ....付き!? ....ルナ! 正気....っ!?」


リュンヌはぱっちりとした瞳をこれ以上ないほど見開き、宿のカウンターにしがみついた。


彼女にとって、宿とは「雨風を凌ぐ場所」であり、風呂とは「川か井戸で済ませるもの」だ。


宿の中に専用の共同湯浴み場があるなんて、王族か貴族、さもなくばよほどの大金持ちのすることだ。


「正気も何も、清潔さは『じこかんり』の基本でしょ? 汚れた体で寝るなんて、翌日のパフォーマンスに響くわ。それこそタイパの無駄よ。」


ルナは事もなげに言い放ち、手際よく銀貨をカウンターに滑らせる。


宿の主人は、ルナの銀のチャームと気前の良さに揉み手で応じ、最上階の鍵を恭しく差し出した。


「....こんなの、バチが当たるよ。....私、一生分の運....使い切ってる....。」


ナギナタを抱え、高価ではないが小綺麗なじゅうたんに泥をつけないよう、つま先立ちで歩くリュンヌ。


ふっくらした頬は、驚きと戸惑いで林檎のように赤くなっている。


「バカ言わないで、これは運じゃなくて『投資の回収』よ。ほら、行くわよリュンヌ。あんたを磨き上げるのも、私の仕事なんだから」


「....磨くって、....私、床じゃない....っ。」


部屋に入った瞬間、窓から差し込む陽光と、仄かに香る飾られた花の匂い。


リュンヌは脂汗を流していた昨日の自分が、まるで別の人生の出来事のように遠く感じられた。


リュンヌはつい気分が良くなった。どんな豪勢な干し肉のスープが出るのだろう。


「あ、ご飯はないから。」


ルナはリュンヌにあっさりと言う。


「部屋に荷物置いたら市場へ行くわよ。三食を自分で作るって事にしたから泊まれるのよ。私ってばジーニアス!。」


ルナがピーチクパーチクさえずる。


「....ご飯、ないの....?」


リュンヌの期待に輝く瞳を、一瞬でどんよりとその一言が濁らせた。


フカフカのベッドに風呂付き。そこまでお膳立てされて、まさかの「自炊」である。


そういえば、食事付きの旅館とかに泊まる回数って減ってますね。ビジネスホテルでコンビニ弁当とか。

それが普通だなあ。この宿もビジネスホテルとかかもしれません。

市場に買物はいいですが、二人の自炊能力はどうなんでしょう。

よくある激マズ紫色料理とかかもしれません。

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