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救済ムーブと物理的サクラ

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


ルナに押し出されたリュンヌが仕方なく言う言葉にどこか引っかかった物がある顔をする大教会長。


だが、それよりも、もっと気になる事があるようだ。それは、やはり教会の財政に直結するあのことだ。


「....ルナ君。その清廉なる姿で、こんな数字を皆に言ったうえで私に提示するのかね?」


大教会長は、ルナの完璧な所作と、提示された「憐憫浄財割合ベア」の金額を交互に見て、額に皺を寄せ苦々しげに言う。普段の柔和な様子とは違う顔だ。


「大教会長様。これは数字ではなく、神への『誠実さ』の指標ですわ。」


銀髪をわざとらしくルナはふぁさっと跳ね上げる。


「さあ、このリュンヌの痛ましい姿(※リラックスウェアのまま)と、私のこの敬虔な姿。」


どうも今日はリュンヌを、こき下ろす日にルナは決めているらしい。


「....どちらがより、これからの教会の未来に貢献するにふさわしい姿か、お分かりになりますわね?」


ルナの神官服が、まるで「正義」を象徴する鎧のように輝いてリュンヌには見える。


翻ってリュンヌは、自分だけが「安息」を体現させられたまま(部屋着で)交渉の場に晒されている事実に、このまま消えてしまいたいと願う。


「....ルナ、....わかってて。....私だけ、....恥ずかしい....真っ裸....一緒。」


リュンヌ、若干おかんむりである。


「いいのよリュンヌ、それが『役割分担』ってものよ。」


大教会長は、しかしそんな三文芝居では落ちなかった。逆にルナに問いかける。


「しかしお布施は神のためのもの、そして神官たるものはその身を粉にしても神に奉仕すべきではないか?今でも病欠は認めている。」


大教会長様の威厳が発動し、周囲を聖なる光が満たしていくかのような気がリュンヌはする。

まるで、守銭奴を浄化する儀式のようだ。


「....っ、大教会長様、その通りですわ!しかしながら....」


ルナが労使対立を「理論」で叩き潰そうと口を開きかけたその瞬間だった。


若手女性神官が、まるで聖霊が舞い降りたかのような慈愛に満ちた笑みで、ルナの言葉を、そして大教会長の「威厳」を優しく包み込んだ。


「ルス神様は公平であらせられます。当然、この『安息』と『向上』は大教会長様、あなた様にも等しく与えられるべき救いなのです。」


まるで昨日のルナのムーブをスポンジで吸収したような滑らかな滑舌だ。


「毎日、深夜まで香炉の煤にまみれ、古い羊皮紙と格闘されているあなた様の、そのお疲れの御顔....。」


ちなみにこの女性神官。日暮れとともに家に帰っているが、大教会長は末端の神官の私生活まで知る由もない。


「私たち、それを見るのが何よりお辛かったのです!」


ルナより酷い虚言。先物を取引するように見たこともない事をさらっと言ってのけた。


「....えっ、わ、私のことも....気遣ってくれると?」


大教会長の威厳が、戸惑いへと揺らぐ。女性若手神官は一歩歩み寄り、祈るようにその手を組んだ。


「大教会長様も、お休みになって良いのです。たまには執務室を離れ、お孫様とピクニックに行き、美味しいお肉をお食べになってください。」


「孫」、全人類がそれぞれが無責任に可愛がれる家系の中の特大バグである。それを彼女は持ち出した。


「それこそが、神が望まれる『命の輝き』ではありませんか....!」


この教団は、詐欺師神官の要請所と思いつつリュンヌは大教会長を見ると唇が小さく動いている。


「お、お肉....。孫と、ピクニック....」


ルナは、振り上げた拳(論理)のやり場を失い、扇を握りしめたまま硬直した。


(....やるわね。対決ではなく、相手を『救済』の枠組みに引きずり込んで無力化する....。これは『利害の共有』による無血開城だわ!)


「....ルナ、....若手、....最強。....ルナより、....怖い。」


リュンヌは、部屋着の袖で顔を隠しながら、大教会長の威厳が「一人の優しいおじいちゃん」としての存在への渇望と溶けていく様を見届けつつある。


そんなリュンヌを凶行が襲う。

大教会長の戸惑いを一押しするためにルナがリュンヌを前へ押す。


「....えっ....」床に倒れる。リュンヌ


「ああっ! リュンヌ! 大丈夫なの、リュンヌ!?」


ルナの叫び声が大教会長の執務室に響き渡る。……というか、今、リュンヌは確実に背中を全力で突き飛ばされた。


だが、衆目は皆話に夢中でだれもルナの暴挙に気づいていない。


(....突き飛ばし....た....お前....今....確実に....)


リュンヌが抗議の声を上げようと口を開きかけた瞬間、ルナの細い指がリュンヌの脇腹を 「黙ってなさい」 と言わんばかりにギュッとつねる。


「見てください、大教会長様! この床に伏した弱き羊の姿を! 彼女が求めているのは、自分のための黄金かねではありません! 」


これは、新しい遊びなのか?ルナがをリュンヌの言葉を捏造しているが、ここではそのルナの言葉でリュンヌを新たに子羊として定義している。


「皆が笑顔で、孫とピクニックに行けるような、そんな優しい世界なのです....っ!」


リュンヌはその内容のえげつなさに怒りと羞恥心に震える。すると大教会長がリュンヌが泣いているのだと勝手に勘違いした。


「お、おお....なんと....なんと健気な....!」


大教会長の目から、ついにダムが決壊したかのように涙が溢れ出す。


若手神官の執念の「救済ムーブ」と、ルナの「物理的サクラ(リュンヌ)」による合わせ技。


これこそが、二人が仕掛けた最終奥義・波状攻撃であった。


交渉ってしつこいけどこんな簡単にいきませんよね。

でも、書きたかったんです。イージーな交渉。

途中でルナパート2みたいの出てきたのは想定外でしたが。でもさあ、お金と休み増えて怒る人なんていないでしょ?おそらく。

さあ、このあと上手くまとまるのでしょうか?

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