さもしい護衛の自己犠牲?!
本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、
作者が好き放題書き散らかしています。
ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。
生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。
お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。
それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。
午後で懺悔相談も一段落した。
「ふぅ。」とルナは一息つく。
お茶を女性神官が持ってくると祈りのポーズの後に言う。
「....本当においたわしい。私のような未熟者が休んでいる間も、あなた方はこうして神への奉仕を……。」
ルナはここぞとばかりに芝居を打つ。
もっとも日常からルナは芝居がかっている。
「その献身こそが聖なる輝きですが、あまりにその身を削りすぎてはいませんか?」
ルナは持参したお手拭きをそっと目元に当て、震える声で告げた。
瞳には「慈悲」という名の完璧な演技を宿し、お茶を運んできた女性神官の手を優しく包み込む。
「顔色が優れませんわ。それは信心が足りないからではなく、あなたの清らかな体が『安息』を求めている証....。」
一番穢れているヤツに言われたくないよ!というヤジを女性神官は当然飛ばさない。
「あぁ、神は愛する子に、これほどの苦難を強いておられるのでしょうか?」
「ルナ様....。そんな、私たちのことまで……」
若き神官の瞳が潤む。ルナはその微かな心の揺らぎを、投資家が市場の動向を読み取るような冷徹な正確さで見逃さない。
「いいですか。あなたの体は、神からお預かりした大切な『神殿』なのです。」
ルス教の教会で神官が神官に教えを説く。
奇妙な光景が続く。
「その神殿がメンテナンス不足でボロボロになるのを、主がお喜びになるはずがありませんわ。」
神官として、自分の身体を神殿扱いされて悪い気
がするはずがない。
「....時に退くことも、また崇高な奉仕。いわば『未来の祈り』への投資です。」
そして、そこで何かを思い出したかのようにルナが俯きつつ震え出した。新章突入だ。
「....ううっ、....ああっ、なんということでしょう....!」
ルナは顔を覆い、肩を激しく震わせる。指の隙間から溢れ出るのは、もはや聖水にも勝る(演技の)涙である。
「私の....あの、路地裏で野良犬のように這いつくばっていた、さもしい護衛にすら....。」
ここで、ルナは広告塔を引っ張り出してくる。
整えた広告塔は、マイナスの事を言ってもプラスに働く。
「月の障りには、適切な休息と『ベリー味の薬(予定)』が与えられています。」
今回がリュンヌに与えた初めての休暇である事を従来からさも行ってきたように語る、銭導士。
「それが....! 神に仕える気高いあなた方が、その不快な痛みに耐え、脂汗を流しながら奉仕を続けているなんて....!」
いや、あなた自身休んでましたよねと誰もツッコまない。
「ルナ様、そこまで仰らなくても....!」
女性神官たちは、ルナのあまりの悲痛な叫びに、自分たちがどれほど虐げられていたのかと錯覚し始める。
「いいえ、言わせてください! これは神の御心に背く『人道的な負債』です! 」
単に休みが貰えていないと言わず、凄まじい言葉遊びをする。
「彼女のような....言葉もたどたどしく、教養もなく、ただナギナタを振り回すだけの粗野な娘ですら、....」
よくもまあここまでこき下ろすか?というぐらい
気持ちのいいこき下ろし具合である。
「自分のバイオリズムを管理し、経済の歯車として健やかに回っているというのに....! あなた方は、その尊い命を使い潰されている....! 」
女性神官に対して、横文字でけむに巻く戦法へと
切り替える。
「あぁ、神よ、これがあなたの望まれた献身なのですか!?」
これだけ使い倒してルナさん今さら神ですか?である。
ルナの『むせび泣きコンボ』が教会の静謐な空気を切り裂く。周囲の神官たちは、もはや「休むのは甘え」などと言える雰囲気ではない。
そして、リュンヌの月のものが今や特大の掘削機にされている。
リュンヌの腹痛は前よりずっとマシなのに。
「....ううっ、....ああっ、あの子のあの謙虚で、それでいて自分を卑下するような悲しい言葉が、今も私の耳に....!」
ルナは胸元をかきむしり、もはや悲劇のヒロインの頂点に君臨していた。
周囲の女性神官たちは、その「さもしい護衛」の健気な(と捏造された)自己犠牲の精神に、ついに堪えきれず涙を流し始める。
「いいですか!? あの子は脂汗を流しながら私に言ったのです....! 」
ルナは、単に初期のリュンヌに対して思っていた
イメージを増幅させているだけなので、言葉にリアリティがある。
『自分のような、泥水をすすって生きてきた下賤な身の上には、月の障りの痛みこそが分不相応な贅沢。」
意訳が過ぎるしそんな事は一言もリュンヌは発していない。
「神に仕える麗しい神官様たちが、一秒も休まず祈りを捧げているというのに、自分が横になるなど万死に値する』と....!」
ついに騎士道精神擬きにたどり着いた。
「そんな....! リュンヌ様がそんなことを....っ!」
女性神官たちの間で「リュンヌ、なんて健気な子なの」という誤解の嵐が吹き荒れる。
もはやリュンヌは、教会の「労働環境の劣悪さ」を浮き彫りにするための、聖女にも勝る悲劇の象徴(生贄)に祭り上げられていた。
さて、いよいよ始まりました。
ルナのハッタリターンです。
今回は徹底的にリュンヌを使い倒す算段のようですが、どこまで、引っ張りまくるのか見ものですね。
使わてるリュンヌは迷惑千万です。




