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おばちゃんの願い、おっちゃんの思い

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


薬草採取の場所は少し湿気が多い。

そういう場所には概ねスライムがいるのが定番だ。


リュンヌは蠢く緑色や青色の物体の、皆が『あたま』と呼んでいる部位の中心部をナギナタで正確に切り裂く。


そして、そのまま刃に引っ掛けて背後の藪へと投棄する。薬草採取の護衛と言いつつ実はスライムの除去依頼だ。


「....スライム。....効率よく、....ポイ。」


リュンヌは呼吸を乱さず、冷徹な精密機械のようにナギナタを振るう。核を断たれ、ただの粘液へと還る物体には目もくれない。


「....これ、....除けるだけ。....護衛、....名前だけ。、」


ルナがこの場にいれば、「スライムの核も、すり潰せば保湿剤としての付加価値がつくのに!」と地団駄を踏んだだろう。


だが、今のリュンヌは単なる『安全』の提供者だ。


「リュンヌちゃん、流石だねえ!」


「この手際の良さ、若いうちから苦労してる証拠だよ。」


背後で響くおばちゃんたちの称賛すら、今の彼女には遠い。


リュンヌは湿った空気の中に、次の「不純物」の気配を探り、ナギナタの銀光を走らせた。


おばちゃんの集団は雑談とともに凄まじい勢いで目的量の様々な薬草をカゴに入れていき、あっという間に仕事を終えた。


「....それ....ただの草....。」


リュンヌはおばちゃんの一人が籠一杯に数種類の木の枝や雑草の根を入れている事を指摘する。


「あら?護衛さんはあの粉の材料を知らないんだ。」とおばちゃん達は愉快そうに笑う。


「これを、あの商会に持って行くと売れるんだよ。おかげで入りが増えてるのさ。」

とおばちゃん達は上機嫌に言う。


「....第1夫人の、仕業。.....ここでも、....ルナの影。」


リュンヌは呆然と、籠の中の「ただの草や枝」を見つめる。それは道端に生えているのと大差ない、誰もが見向きもしなかった代物だ。


しかしルナの「ブランディング」という魔法がかかれば、それは突如として金貨を生む「貴重な原材料」へと変貌する。


「....捨てればゴミ。....拾えば、....救済。....ルナの、....決め台詞。」


おばちゃんたちの弾む声を聞きながら、リュンヌは複雑な溜息をついた。


ルナが寝込んでいる間も、彼女の設計した「集金システム」は、この街の隅々でたくましく、そしてやかましく稼働し続けている。


「....帰ったら、....絶対に....交渉する。....ベリー味、....二倍。」


この熱狂の源泉ルナを守る代価としては、それくらい当然の権利だとリュンヌは自分に言い聞かせた。


「リュンヌちゃん、この後は見回りだろ。」

とおばちゃんは手製のパンとチーズをくれる。


「お昼に食べな。本当に子供を預けられたら他の辞めちゃった冒険者の子達も依頼に来てくれるだろうに。」


おばちゃんはポツリとリュンヌに漏らす。

まるで、ルナに伝えろと言うように。


「....パン、....チーズ。....お腹、....喜ぶ。」


リュンヌはお礼代わりに、パンの香りを胸いっぱいに吸い込む。


おばちゃんの言葉に含まれた「託託おねがい」という重みを、彼女はナギナタの柄越しに感じ取っていた。


「....子供、....預ける場所。....あれば、....みんな、....戦える。」


それは、かつて路地裏で「明日」さえ見えなかったリュンヌにとっても、切実な響きを持っていた。


母親たちが再び得物を握り、薬草を摘む。その循環を阻む壁を、ルナなら「投資対象」として面白がるに違いない。


「....わかった。....ルナに、....届ける。....多分、....子供預ける....計算、....始めるけど。」


リュンヌはパンを大切に懐にしまうと、おばちゃんたちを見送る。

一人になった牧場への道。


背負ったナギナタが少しだけ重く感じられたのは、街の女性たちの「未来」という荷物を、ほんの少し預かったからかもしれない。


リュンヌはおっちゃん達と合流して昼食をとる。


「ああ、昼もらったのか?よかったなあ。」


おっちゃん達はリュンヌに干した果物を勧めつつ言う。


リュンヌは、「おっちゃん達....辞めた子....戻る....嬉しい?」と聞く。


リーダー格のおっちゃんが、「それが出来るならわしらも助かるしありがたいな。」と真剣な顔で言う。リュンヌは切実な話と改めて受け止めた。


「....嬉しい、....ならよかった。」

リュンヌは手渡された干し果物を噛み締め、その素朴な甘みを舌に転がす。


おっちゃんの表情に刻まれた皺は、単なる加齢ではなく、現場を支え続ける「責任」の重みだった。


「....おっちゃんたち....無理してる。....辞めた子....戻れば、....無理、なくなる。」


経験豊かな女性冒険者たちが戻れば、人員も増強されるうえ経験も継承され、現場の負担は分散する。


それはルナが言う「持続可能な発展」という名の、何よりの救いだ。


「頼むよ。あんたの相棒なら、何か魔法みたいな解決策を思いついてくれそうだからな。」


「....魔法じゃない。....多分、....数字と、....からくり。」


リュンヌは空を見上げ、ルナがテーブルを指で叩く軽い音を思い出す。


それは軽すぎるようでいて、誰かの生活を確実に救う、今の街に最も必要な音なのだ。



リュンヌは無事依頼はこなしたようですが、こんな重そうな依頼を簡単に受けてしまっていいのでしょうか?

なんだかんだ言っても、生きるという事に関してはルナより長けて居そうですが。

このおばちゃんやおっちゃんの気持ちを、ルナはちゃんと拾い上げるのでしょうか?

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