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おばちゃんハリケーン

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


今は一人でゆっくりできることが最良の薬だ。

同性だからこそわかる、リュンヌはそう思っていた。


「....ありがと、リュンヌ。今日の稼ぎは、あんたの将来の『育休手当』の積立に回しておいてあげるわよ。」


ルナは、寝付く間際まで銭導士らしい冗談(?)を言う。


その声はいつもの鋭さが削ぎ落とされ、ただの少女の柔らかさが混じっている。


リュンヌは部屋の灯りを小さく絞ると、静かに自分のベッドに潜り込んだ。


明日の朝になれば、教会では女性神官たちがため息をつきながら働いているだろう。


でも、ルナはこの部屋で静かに「錆」を落とし、自分は外で「地味な日常」を守る。


それは、ルナと出会う前には想像もできなかった、騒がしくて、少しだけ温かい「周期サイクル」だった。


「....おやすみ、....鉄人....お休み中....の、ルナ。」

小さな寝息が二つ、静かな夜の部屋に重なった。


翌朝、ぐっすりと眠っているルナのために、パンと人参を単に茹でただけの物と水をテーブルに置く。


リュンヌは音を立てないように、規則正しい寝息のBGMに合わせて部屋を出て宿から冒険者ギルドへと向かう。


ギルドへ続く石畳を、リュンヌは軽やかな足取りで叩く。背負ったナギナタの重みが、今は心地よい。


「....ルナ、まだ夢の中。....人参、甘いから....許してくれるはず。」


朝の澄んだ空気を吸い込み、彼女は思う。

昨日の「鉄人」の弱々しい姿は、この三週間で最も人間味を感じる光景だった。


自分が稼ぎ、自分が守る。その単純な等式が、今のリュンヌには誇らしかった。

ギルドの重厚な扉を開くと、喧騒が五感を打つ。


「....今日は、....もっと地味なやつ。....おっちゃんたち、….待ってるかも。」


受付へと進む彼女の瞳には、かつての焦燥ではなく、確かな自負が宿っていた。


リュンヌは、わざと地味そうな依頼を探すことにした。掲示板に並ぶ依頼票を、リュンヌは指先で丁寧になぞる。


選んだのは、昨日の続き。おっちゃんたちの農場の、さらに奥にある境界線の見回りだ。


「....これ。....派手じゃないけど、....大事なやつ。」


シニヨンを包む白いキャップは、清潔感という名の「信頼」を街に振りまいている。


その凛とした佇まいに、色めき立つ男たちもいたが、不用意に近づく者はいない。


彼女の背後に控える「銭導士」の、容赦ない運用の弾きと、聖騎士をも黙らせる毒舌の影が彼らを躊躇わせていた。


「....誰も来ない。....静かで、....いい。」


孤高を好む彼女にとって、その無言の境界線は至極快適だった。リュンヌは静かに受付へと歩み寄る。



受付に持っていくと受付嬢が一つの依頼書を指さす。


「この薬草採取の護衛が、この依頼の近所までなの、見回りついでに受けてあげてもらえないかしら。」


受付嬢の指先を追うと、少しよれた依頼票が寂しげに揺れている。


「....ついで、なら。....効率的。」


リュンヌは小声で呟き、ルナがよく口にする「リソースの最適化」という言葉を思い出す。


一度の移動で二つの報酬。これならあの「コストの鬼」も、ベッドの中で満足げに鼻を鳴らすだろう。


「わあ、助かるわ! これ、もう1週間も放置されてて....。」


「....みんな、....派手な....キラキラ....好きだから。」


受理の印を押す受付嬢の安堵した顔を見て、リュンヌの胸に小さな充足感が灯る。


ルナが寝込んでいる間に、自分なりの「仕事」を積み上げる。その手応えを噛み締め、彼女はギルドを後にした。


街角の小さな雑貨店でリュンヌは「....依頼....受けた。」と奥にいた年配の女性にいう。

おばあちゃんと言うにはまだ少し若い女性だ。


そのおばちゃんはリュンヌが薬草採取の護衛を受けた事を知り、他の面々を招集する。瞬く間にかしましいおばちゃん集団が出来上がる。


「....うわ、....すごい。....増えた。」


リュンヌは圧倒され、ナギナタの柄を盾にするように一歩引いた。


雑貨店の狭い空間は、瞬く間に色とりどりの頭巾を被ったおばちゃんたちの熱気で飽和する。


「まあ! あの放置されてた依頼を受けてくれたのね!」


「あんた、銀髪の聖女様のところの子じゃない。縁起がいいわ!」


口々に放たれる弾丸のような言葉に、リュンヌの白いキャップが揺れる。彼女たちが手にしているのは、鎌や籠、そして止まらないお喋りだ。


「....これ、....護衛、....大変かも。」


魔物より、この「かしましさ」から薬草を守る方が難易度が高い。


リュンヌはルナの「無駄のない交渉」を思い出し、深呼吸をしてから、一番声の大きいおばちゃんを見据えた。


「....出発。....遅れると、....効率、....落ちる。」


おばちゃん集団はリュンヌと共に町外れの牧場の方へ向かう。


おばちゃんはすごいと思います。

モブで名前がなくてもセリフ入れたら「おばちゃん」になる。

もしかして名付けずとも「おばちゃんストーリー」が出来ちゃうと思うぐらいです。

それぐらいおばちゃんのポテンシャルはすごい。

そんなおばちゃん達の相手をリュンヌは務められるんでしょうか?

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