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リュンヌ冒険者のサボりを疑う

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


「....わかった。....小遣い、....魅力。....でも、....無理しない。....ルナの、....お粥代、....稼いでくる。」


リュンヌは少しだけ誇らしげに胸を張り、ナギナタの皮紐を確認する。


いつもはルナの「商品」や「デコイ」として動いているけれど、今日は純粋な「冒険者」としてのリュンヌだ。


「....ルナ、....おやすみ。....明日、....鉄人に....戻るまで、....私が....守る。」


リュンヌは静かに部屋を出ると、教会へとしっかりとした足取りで向かった。


「....本日、....銭導士、....休業。」


自然と伝えるべき事を反復していた。

教会に着くと、リュンヌは最近ルナが請け負っている、懺悔相談を休ませて欲しいと伝える。


若い女性神官にリュンヌが「....ルナ....調子....悪い....休み。」たどたどしくも最低限伝えると女性神官は奥に下がっていく。


奥から聖騎士が慌てた顔で現れた。


「ルナ様が重篤と!」


なんでそうなった。


「....重篤、....じゃない。....女子の、....やつ。....でも、....鉄の塊が、....錆びてる。」


リュンヌは、慌てふためく聖騎士の鎧の音に耳を塞ぎながら、淡々と、しかし致命的に言葉足らずな説明を付け加えた。


「な、なんだと....!? 鉄の塊が錆びるほどの不治の病....!? それに『女子のやつ』とは、まさか女性特有の恐ろしい呪いか何かなのか!」


騎士は今にも街へ飛び出さんばかりの勢いだ。


「....騎士様、....落ち着いて。....ただの、....定期のもの。」


リュンヌがいくらなだめても、騎士のテンションが落ち着かない。


彼の耳には「聖女ルナが、自身の心を鋼鉄に変えて民を救い続けた代償として、ついに内側から崩壊(錆び)し始めた」と変換されているようだ。


「....これ、....ダメだ。....話、....通じない。」


若い男性神官数人を気を利かせた女性神官が呼んでくれた。


「おお、リュンヌ殿! 私は今すぐ、王都から最高の治癒術師を呼び寄せる手配を....!」


騎士は押しとどめられつつもまだジタバタしている。


「....ダメ。....絶対、....ダメ。....ルナ、....今、....機嫌悪い。....騎士様、....行ったら、....刺される。」


リュンヌはナギナタの柄を、騎士の前に水平に出して意思表示する。


「....とにかく、....今日は、....休み。....騎士様、....静かに、....しといて。....誰も、....宿に....行かないで。」


そう、「こういう日は一人静かにしていたいものだ」と、リュンヌはデリカシーのない騎士にため息をつく。


リュンヌは女性神官に「....明後日ぐらいまで窓口....」と未だ奥で喚いている騎士を無視して続ける。


女性神官は「もちろんです。」と答えた。

そして、そのあと周囲を見渡してリュンヌの耳元に顔を近づける。


「ルナ様に、私達もこういう時に休めるようお力添えをして欲しいとお伝えください。」と小声でリュンヌに要望を伝えてきた。


「....わかった。....ルナに、....言う。....多分、....相談料、……取るけど。」


リュンヌは小声でそう答えると、女性神官の切実な眼差しに少しだけ同情した。


ルナが「銭導士」としての力をもって休む姿を見て、女性教会関係者たちもまた、気付いたのかもしれない。


「清貧」を旨に信仰という「奉仕(サービス残業)」を行う事を、時に体調によって休む必要性があると。


「....みんな、....冒険者と違う。....かわいそう。」


背後では、騎士が「聖女様の病を治すために訪問許可を! 」と叫んでいる。その喧騒を無視して、リュンヌは教会を後にした。


ギルドの扉をくぐると、酒と汗と鉄の匂いが混じった独特の熱気がリュンヌを包んだ。

久々の感覚だ。


以前はよれよれの黒髪少女冒険者が手製の粗末な武器をもって入ってきたという目で見られていた。


だが、今日は例の神官の付き人と言う目で皆が注目している。男性冒険者達も少し距離を置いている。


「....依頼、....探す。」


掲示板の前でリュンヌが目を細めると、いくつかの依頼が目に留まった。


「....簡単....依頼....なんで? ....みんな、....サボり?」


リュンヌは不思議そうに掲示板を見つめた。


普段から少しダブつき気味だが、女性冒険者や低位冒険者の間ではお手頃で割のいい、リスクが低くて「手離れのいい」案件。


それが、以前とは段違いに売れ残りの在庫と言ってもいいぐらいの掲示量だ。


「そっかリュンヌちゃん、知らないんだね?」

ギルドの受付嬢が、少し困った顔で帳簿から目を上げて話しかけてきた。


「もともとさ、男性冒険者は派手で報酬もいい依頼選ぶ傾向があったでしょ。」


リュンヌも心当たりがある。お金持ち?女性にモテる?そんな事を唱えていた気がする。


「そんなところに、女性冒険者のお年頃の子が結婚して子供ができて立て続けに引退しちゃったのよ。」


「....女の冒険者、....みんな、....やめちゃう....困る。」


リュンヌは焦った。自分が寝込んでからルナの護衛していたこの1ヶ月ほどで、元々少数派だった女性冒険者が更に希少になっている。


「おかげで、街の土台を支える地味な依頼が人手不足でパンク状態よ。」


受付嬢はお手上げのポーズを取る。


けたたましい?騎士をなんとかして、いよいよリュンヌが冒険者らしい仕事を狙うようですが様子がちょっと怪しくなってきました。

リュンヌは、いい仕事を見つけられるのでしょうか?

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