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鉄人、鉄の塊、錆びる

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


リュンヌとルナが出会って3週間が経った。

ルナはいつもの調子ではなく、気だるげに身体を起こす。


「今朝は、パンと干したアンズと水だけでいいわ。」


とルナは言う。

リュンヌは「....病気....大丈夫?」と尋ねる。


ルナは「私だって女子なんだけど?」

リュンヌにぶすっと言い返す。


「....女子なのは、....わかってる。....でも、....ルナ、....鉄人だと....思ってた。」


リュンヌは心配そうに眉を下げ、いつもより少しだけ丁寧にパンの皿をルナの前に置いた。


あの強欲でバイタリティの塊のようなルナが、大好物の「食べ物(利回り)」の話もせずに気だるげにしている。


その姿は、市場の暴落を見るより恐ろしい。


「鉄人なんて、どんな高コストな体質よ....。」


気だるくても「こすと」は重要なんだとリュンヌは無意識に確認させられる。


「いい? 今の私は、ホルモンバランスという名の不規則な相場変動に翻弄されている『一時的な低成長期』なの。」


月一の低成長期とはなんだ?ルナが大柄ではないのはこのせいなのか?

リュンヌの疑問が一つ増えた。


「無理に投資(活動)しても、効率が悪いだけだわ....。」


ルナはいつものギラついた瞳をどこかへ置き忘れたように、力なく水でアンズを流し込む。


「....じゃあ、....あの粉、....飲む?....赤か、....緑の。.....ルナ、.....自分で....作った。」


「....嫌よ。あれ、自分で作ったからわかるけど、今の私には刺激が強すぎるわ....。今はただ、静かに資本(体力)を蓄えさせて....。」


作るだけ作って、他人で試して、商品として売った挙句に自らは服用拒否。

詐欺師も真っ青な清々しさだ。


リュンヌは、ルナが自慢の「PB商品」すら拒絶するのを見て、事の重大さを察した。


自分は実験台にされたのに、助けたいと考える。

リュンヌはやはりお人好しだ。


そして、おもむろに立ち上がると、宿の共同炊事場でお湯を沸かし、宿から借りてきた古い湯たんぽに温かいお湯を注ぎ始める。


「....今日、....窓口、....私が....断ってくる。」


「....お願い、リュンヌ。あ、でも相談料の『前受け金』があるかは聞いておいて….あと、次の懺悔日の告知も….」


「....寝てて。.....銭導士、....今は....ただの、....おばあちゃん。」


リュンヌはルナの腰にそっと湯たんぽを当て、毛布を首元まで引き上げた。最強銭導士といえど、月に一度はただの少女に戻る。


リュンヌはナギナタの柄をぎゅっと握り、今日は自分が「最強のAML部門」として、この小さな「休眠口座」を守り抜くことを心に決める。


「赤とか緑はね、体質改善用なのよわかる?ちょっとでも、この瞬間を動ける様にするため用ってことね。」


言い訳するようにルナは、言葉を続けてから言い切った。


大丈夫リュンヌより軽いから明日には大分マシなはず。「....人....違う....ルナ....鉄人」

リュンヌ大ボケである。


「....鉄人....じゃない。....ルナ、....鉄の、....塊。」


リュンヌは真顔で、大真面目にそう言い切った。

もはや人でもない。


彼女の中では、ルナという存在はもはや生身の人間を超え、精密に組まれた「利益を生む鋼鉄の装置」か何かに分類されているらしい。


「失礼ね! 私のこの繊細なバイオリズムを鉄の塊扱いするなんて、最大の『不当評価』だわ....。28号じゃないし。」


弱っていてもルナの口は超合金らしい。


「いい? 明日にはこの一時的なデフレを脱却して、V字回復してみせるんだから....。」


ルナは毛布にくるまりながらも、リュンヌのボケに律儀にツッコミを入れる。


ふと、ルナはベットから顔を出すとリュンヌに言う。


「あんたもあたしがこんなんじゃ、やることないでしょ。」


そして少し照れくさそうにリュンヌに告げた。


「パンもお水も干した果物もあるからお昼は困らないから、冒険者ギルドで依頼でも受けてきたら。」


わりとまともな提案だった。


「....冒険者ギルド。.....依頼。.....私、一人で?」


リュンヌは目を丸くして、ベッドの中のルナを二度見した。


いつもなら「私の護衛という資産を遊ばせておくなんて損失よ!」と、隣で飛ばししながら指示をしてくるルナ。


そのルナが、自分一人の自由時間を許すなんて。


「....ルナ、....本当に、....重症。....脳みそ、....ばぐった?」


「失礼ね。あんたの腕が鈍って、将来的な『防衛コスト』が上がる方がリスクなのよ。」


一国の予算検討の様だ。


「それに、一人で稼いできたら、その分は特別配当(お小遣い)にしてあげてもいいわ。」


破格の条件であり、リュンヌでなければ裏があると思いそうだ。


「....ただし、怪我をして治療費(修繕費)を出すような真似は厳禁よ。わかった?」


ルナは気だるげに、でもしっかり釘を刺しながら、再び毛布の中に潜り込んだ。



第2章スタートです。

いきなり、お約束?でルナがダウン。

リュンヌは、一人で用事や依頼を無事に終えることができるでしょうか?

あと、ルナも意外と弱々です。

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