月一の腹の重みからのQOL
本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、
作者が好き放題書き散らかしています。
ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。
生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。
お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。
それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。
「大丈夫よ、リュンヌ。今回はちゃんと粉砕してあるわ。」
粉かペラペラかの問題としてルナは取り上げる。
「鉄と砂の味に比べれば、もはやこれは『スイーツ』と言っても過言ではないはずよ。さあ、期待収益率を上げるために一気に飲みなさい!」
どこをどう取れば『スイーツ』か教えていただきたい。
「....甘いもの、....ルナの....辞書....怖い。....辞書、....買い....直したい。」
リュンヌは小刻みに震えながら、赤みがかった怪しげな粉末を見つめる。
拒否権を発動したはずが、ルナの「健康は最大の資本よ」という無言の圧力に、じわじわと外堀を埋められていく。
「....じゃあ、....試し....一口だけ。....変な.....味したら、....今日の午前中、.....ルナ....無視する。」
小学生の喧嘩案件的条件である。
「いいわ、その条件で手を打ちましょう。さあ、清算の時間よ!」
リュンヌが、粉末を含みおずおずとコップに口をつけると、意外にもリンゴの甘酸っぱい香りが広がった。
しかし、後味にわずかに残る「干していた、窓辺の風の味」に、彼女はやっぱり少しだけ複雑な表情を浮かべるのだった。
「....これ、....味....ちゃんと....第1夫人....言うべき。」
「わかってるわよ。提案へのお布施はしっかり頂戴するわ。」
リュンヌは心底、ルス神様に申し訳なく思う。
「それ...お布施....違う....ルス神様....私....真面目。」
「真面目なのはいいことよ、リュンヌ。」
ルナはリュンヌに言い聞かせる様に応じる。
「でもね、神様だって『適正価格』で流通しない善意より、しっかり『利益』を生んで持続する仕組みを喜ばれるはずだわ。」
ルナは聖典のような手つきでノートを閉じると、リュンヌの頭をポンポンと叩いた。
「いい? リンゴの皮だって、捨てればただの『廃棄物』。」
ルナは誰に言うでもないが言い聞かせる様に続ける。
「でもこうして加工して、付加価値をつけて流通させれば、それは立派な『救済』になるの。」
ちょっと、いい一言を発したと思ったけど、その後に全てをブロック崩しし始める。
「第1夫人がこの『赤の粉末』で街の女性たちをさらに美しく健康にすれば、彼女の権力基盤はもっと強固になる....。」
そして定番の着地点へ一直線だ。
「そのコンサル料を頂くのは、極めて健全な経済活動だと思わない?」
「....ルス神様、....泣いてる。....商売の神様に、....転職しちゃう。」
リュンヌは溜息をつきながら、ナギナタの手入れを始めた。
ルナの言っていることは、言葉だけ聞けば立派な社会貢献(SDGs)のように聞こえるが、その実態は「ゴミから金を生む」という錬金術に近い。
「それにね、あの粉末3種類が普及すれば、あなたのように部屋で腹痛で動けていない女性が活動できる。」
ルナはリュンヌを見てニヤニヤ笑っている。
出会った頃の事を思い出しているようだ。
「つまり生産性が上がり、私達はライセンス収入を得てQOLはお互い爆上がり。」
「....きゅう....おー、....える?」
リュンヌはまた出てきた謎の呪文に首を傾げた。
しかし、「腹痛で動けない女性が活動できる」という言葉には、先ほどまでの不信感が少しだけ和らぐのを感じる。
確かに、あの「砂鉄味の地獄」を飲み始めてから、日々あの鉛のような重さが軽くなっていたのは、認めざるを得ない事実なのだ。
「そうよ! 痛みで寝込んでいた労働力が市場に戻れば、街全体のGDP(国内総生産)が底上げされるわ。」
政治家の演説が始まったようで、リュンヌは「げげっ....。」と若干引く。
私たちはその『インフラ提供者』として、当然の報酬を受け取る。誰も損をしない、完璧なエコシステムの完成よ!」
ルナは窓の外に広がる街を見下ろして、まるで広大な領土を手に入れた女王のように微笑んだ。
「....ルナ、....たまに....本当に....聖女様に見える。....口を開かなければ。」
「失礼ね! 最高の営業トークは、最高の付加価値を届けるための愛のささやきよ。
そして、ルナは神官服を引っかける。
「さあ、身支度は整ったかしら? 今日の収益は、昨日解放した第2夫人の『再就職先』の斡旋費用にも充てるんだから。」
不労所得を得れるとしても、辻説法は止める気がないようである。
「彼女のセカンドライフという名の新規事業立ち上げ、銭導士として放っておけないわ!」
リュンヌの対こすと反応がアラートを鳴らす。
「....第2夫人、....応援する。....ルナの....毒牙から、....守る。」
ルナは鼻を鳴らしつつリュンヌに言い返した。
「人聞きが悪いわね! 彼女には私からの派生した『慈愛』を配分する予定なんだから、立派な共同出資者よ!」
リュンヌは「結局、ルナの掌の上……」と遠い目をしながら、磨き上げられたナギナタを背負った。
外では昼2つ前の鐘がなっていた。
#第1章 終わり。
文章を書いた事もないおっさんの、ファンタジーに対する疑問から始まった実験にお付き合いいただいた皆様、リュンヌとルナに成り代わってありがとうございます。
これにて1章終わりですが....調子に乗って2章行っちゃいます。まだファンタジーで謎に思うことはあるのだ。
とにもかくにも文章書いた事がない人間の頭の中身をぶちまけるにはAIは不便かつ便利な魔道具ということは理解できました。




