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サーキュラーエコノミー

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。



「さあリュンヌ、本日の『業務』はこれにてクローズよ。約束通り、とびきりのご褒美リワードをあげるわ!」


ルナに腕を引かれ、ようやく地獄の屋敷から解放されたリュンヌだったが、その足取りは重い。


「....ご褒美、....嫌な予感。....また、....緑の、....何か?」


「失礼ね! 今日の利益確定(利確)分でなら、粉末を赤色に出来るわ。」


「....やっぱり、....薬。....いや、....。」


最強銭導士の計算高い慈愛を受けながら、二人は夕暮れの賑わいへと消えていった。


背後では、商人家の「新しい統治者」となった第1夫人が、粉末の調合を巡って執事たちを指示し始める声が、新時代の幕開けのように響いていた。


宿の共同浴場で、今日もリュンヌは卵黄とオリーブオイルまみれにルナにされている。

こういう資金は、ルナは惜しまない。


卵黄がリュンヌのなだらかな丘のふもとに垂れる。


「....気持ち....悪い....っ。」


これだけは何回経験しても慣れない。

声につられてリュンヌの胸を見たルナがお湯をぶっかけ洗い流し、勝ち誇ったように言い放つ。


「勝った!」


『ぽかん。』


リュンヌはあっけに取られたままルナを見つめる。


卵黄の生温かいぬるっとした感触が消えた開放感と、ルナの「謎の勝利宣言」への困惑が気持ちの中で入り混じる。


「甘いわねリュンヌ。これは『戦略的投資』とその『結果評価』よ。」


リュンヌは何をルナが指して言ってるのか、未だピンと来ない。


「あんたの肌のキメと、その……無駄に発育の悪い曲線アセットを確認した上で、私の完勝を確認したの。」


ルナは妙に機嫌がいい。


「素材だけでは超えられない壁が、この私にはあるのよ!」


ルナは湯気の中で堂々と胸を張り、濡れた髪をかき上げた。


銭導士としての冷徹な計算高さはどこへやら、今の彼女はただの「負けず嫌いな年頃の女」の顔をしている。


「....意味、....わかんない。....ルナ、....多分一緒。....お腹、....空いた。」


リュンヌにとっては、どうでもいい内容に思える。


「ふん、いいわ。今日の『外装維持費(パック代)』は高くついたんだから、その分しっかり明日のモチベーションに変換しなさい。」


ルナは理由は何かわからないが、今の一言で機嫌がいいのだけはリュンヌにはわかる。


「さあ、上がるわよ! 串焼きの肉2本増量、領収書は切れないけど、私のポケットマネーから、ご褒美として特別配当してあげるわ!」


「....肉....4本....にして。」


「.....いいわ、今日の私のクロージングが見事だったから、自画自賛で特別ボーナスよ!」


最強銭導士と、その「商品価値」を磨き上げられた無自覚美少女。


二人の夜は、どろどろの卵黄から、香ばしく焼ける肉の匂いへと、幸せな利回りを生んでいくのだった。


翌朝、二人はいつも通り、パンと昨日のスープの残りの温め直しとアンズを干したドライフルーツの朝食をとる。


リュンヌが「....今日....薬....緑....いい。」

もう、あんな激マズ鉄に砂トッピング味は飲みたくない。


「....その件だけど、リュンヌ。朗報よ。」


ルナはパンの端っこをスープに浸しながら、極めて事務的な、それでいてどこか慈悲深い笑みを浮かべた。


「あの『鉄に砂トッピング味』のPBプライベートブランドは、昨日をもって第1夫人へのライセンス譲渡が完了したわ。」


リュンヌは、なんかよくわからないけど、なんか済んだ事は理解した。


「つまり、私たちの在庫分は、今後『市場価値を維持するためのサンプル』としてしか存在しないの。」


ルナの言葉はリュンヌには福音が含まれている気がする。


「....じゃあ、....もう、....飲まなくていい?」


リュンヌの瞳に、絶望の淵から救われたような一筋の希望が宿る。しかし、最強銭導士がノーリスクの朝食を許すはずがなかった。


リュンヌはふと気づく。

窓辺にルナが干していたリンゴの皮がない。


「....ルナ....まさか....ゴミ....入れた?」


リュンヌにとっては、ゴミを薬に入れるなんて、毒をまぜるのと同義だ。


「ゴミだなんて投資効率の悪い言い方はやめてちょうだい。」


ルナはさもその筋の権威のように思い切りそっくり返ってこの筋の専門家面した。


「あれは食物繊維とポリフェノールを極限まで濃縮した『アップル・レッド・サプリメント』よ。


似非専門家は、さやにドヤ顔で利益を語る。


「廃棄コストを利益に変える、これぞ循環型経済サーキュラーエコノミーの極みなんだから!」


少し少女らしさをルナにも出してみました。

リンゴの皮ってどれぐらい味するんだろうって思っちゃいました。

考えてみたら、ポプリとかに使うようなものを人に飲ませるルナってやはり人でなしでしょうか?

さて、次回で1章完結です。


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