順位付けの意味
本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、
作者が好き放題書き散らかしています。
ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。
生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。
お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。
それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。
「ルス神様とお前達との話は屁理屈だ!。安宿に泊まり続けるような立場から救い出してやるのだぞ。しかも贅沢も出来る。」
主人は感情的になりつつ反撃に出る。
確かに妾の話と宗教論争はわけが違うしスケールが違い過ぎる。
主人はルナに対して続ける。
「そもそもだぞ、貴様の護衛が神に仕えし者と言う事は、お前が神と言っているも同じ。神官の分際で最も不敬なのはお前だ!」
主人は、唾を飛ばさんばかりにルナに言い放ち睨みつける。
「あら、聞き捨てなりませんわね。私が神だなんて、そんな畏れ多い『自己資本比率』の計算違いはいたしませんわ。」
ルナは右手をひらひらとさせ、相手の反撃を軽やかにいなす。
だが、その瞳の奥には投資対象を決定する投資家のような冷徹な光が宿っている。
「私はあくまで『神の代理人の、そのまた末端の不採算部門』に過ぎません。ですが、ご主人様。」
ルナは持論を振りかざす。
「神に仕える者が安宿に泊まるのは『清貧』という名のブランディング。」
清貧を当然としないこの聖職者やはりおかしいとリュンヌは口があんぐりする。
「それを贅沢という名の『不良債権』で上書きしようとする行為こそ、信仰の根幹を揺るがす市場攪乱ではありませんか?」
「....ルナ、....屁理屈、....止まらない。」
リュンヌは隣で、もはや物理的な武器よりもルナの舌鋒の方がこの場での殺傷能力が高いことに気づき始めていた。
しかし、主人の「最も不敬なのはお前だ」という指摘は、この場のパワーバランスを揺さぶるに十分な正論だ。
両脇の女たちも「そうだわ!」とばかりに勝ち誇った顔を見せる。
「いいですか。私が神だと言っているのではなく、私が『神から預かっている価値』をあなたが不当に安く見積もっていると言っているの。」
ルナは微塵も動じない。
「リュンヌの純真さと、私の持つ教会のネットワーク....。」
ルナは半笑いを対面の3人に向けた。
「これらを『第3・第4夫人』という型落ちの枠に押し込もうとするそのセンスのなさが、最大のリスクだって言ってるのよ!」
ルナは更に場をかき回しに出た。
「第1夫人様と第2夫人様の順位付けはなんですの?まさかの婚姻順ですか?」
ルナはなにも知らぬフリをする。
あからさまな嫌がらせだ。
「私達のような小娘には、この広い世界の事が理解できていないことも多いのです。」
どう考えても世間ズレしまくっている神官の言葉ではない。
「ご主人様にお仕えするならなおさらですので、きちんとご教示賜りたいですわ。」
「....ルナ、....火に、....油どころか….薪。」
リュンヌは恐怖のあまり、もう表情が死んでいる。
ルナが振った話題は、このサロンにおける最大の禁忌——「女たちの序列」という名の時限爆弾だ。
ルナは嫌らしい事にもう一度繰り返してほじ繰り返す。
今度は世間ズレした守銭奴の顔だ。
「そうね、ご教示くださる? 容姿の美醜? 実家の資産? それとも夜の….あら失礼、下品な市場調査でしたわ。」
毒気の全くない顔の美少女の聖職者から発せられる下品な質問。
「私たちのような『新参者』が、皆様を差し置いて第3、第4なんて高位を拝命しては、社内融和….いえ、家庭内秩序が乱れてしまいますわ!」
ルナのわざとらしい猫なで声が、部屋の温度を急速に下げていく。
第1夫人と第2夫人の顔が、屈辱と嫉妬でみるみる赤黒く染まっていく。
彼女たちからすれば、いきなり現れたガキに「自分たちの序列の根拠」を値踏みされているのだ。
「序列に明確な査定基準がないのであれば、それは組織(家庭)としてのガバナンスが欠如している証拠。」
ルナは少し声のトーンを低くして明らかにお断りと言う態度を示す。
「そんな不安定なポートフォリオに、私たちが身を投じるわけには参りませんわ。」
そして、ルナは足元にふと目を落とす。
「お話はかわりますが....、私にはどう見ても第2夫人様の方が人格者に見えますわ。」
ルナは突然話を切り替える。
「式も挙げていただけず、この様な場に控えられ文句も言わず慎ましやかにしていらっしゃる。」
ルナは市場で仕入れて裏を取った爆弾を投下する。暗に私達は、そうはいかないという警告も込めて。
「ルス神様の御心を体現されていらっしゃる....。あぁ、なんて尊い犠牲精神でしょう!」
ルナはわざとらしくハンカチを目元に当て、気の弱そうな第2夫人に向かって感涙にむせぶ演技を見せた。
その実、視線は冷徹に第1夫人のプライドを切り刻み、商人の家庭内統治を根底から揺さぶる事を見据えている。
「....ルナ、....それ以上は、....刺される。」
リュンヌはもはや蒼白を通り越して、魂が口から抜けかけていた。ルナがやっているのは、単なるお断りではない。
第2夫人を不当に持ち上げることで、第1夫人の嫉妬を爆発させ、商人を「人格者を見抜けない無能な経営者」として公開処刑を狙っている。
第2夫人はルナの言葉を聞き涙ぐみ始める。
第1夫人は逆上する。
美少女に言わせてはいけないセリフのオンパレードですね。でも、ここまで自分の考えに忠実だから聖職者なんですってのは....やっぱり無理ありますよね。
でも、結構楽しいのは事実です。
なので次も更にルナさんに暴走してもらっちゃおう!




