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莫大な不敬負債

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。

席に座ると、でっぷりと太った男が両脇に美女を従え入って来て対面で座った。


女性の一人は美人だが気が強そうで嫌味な感じ、もう一人は少し気の弱そうな元はどこかの下級貴族令嬢と思しき女性だ。


「ふむ、約束どおり現れたという事は婚姻承諾という事だな。」


男は、満足気に言いとリュンヌとルナの二人を無作法にも舐め回すように見る。


「あなた、侍女の面接ですの? 随分と場違いな格好ね。」


気の強そうな美女が、扇子で口元を隠しながらリュンヌを嘲笑う。


対照的に、もう一人の気の弱そうな女性は、怯えるリュンヌの姿に過去の自分を重ねたのか、痛ましそうに視線を伏せる。


「....棒、....ない。....折れそうな、....足しかない」


リュンヌは必死に周囲の調度品に目を走らせるが、あるのは高価で脆そうな細足のテーブルや、重すぎて振り回せない金細工の置物ばかり。


丸腰の不安から、リュンヌの指先がわずかに震える。


「あら、面接だなんて人聞きの悪い。私たちは『事業提携』の妥当性を確認しに来ただけですわ。」


ルナは商人の舐め回すような視線を、鏡のような営業スマイルで跳ね返しながら、ゆったりと椅子に深く腰掛けた。


「承諾? いえいえ、ご主人様。商談において『返事』とは、条件を精査した後にのみ発生する配当のようなものです。」


ルナは冷静に営業ボイスとスマイルを振りまきつつ断言しちょっと間を置いて言い放つ。


「....それにしても、第3、第4という枠は、随分と『流動性の低い』ポートフォリオのようですわね?」


ルナは両脇の女性たちをチラリと見やり、まるで市場の不良在庫を確認するかのような冷徹な光を瞳に宿した。


「そちらの先任の方々への配当(生活費)で、既にキャッシュフローが圧迫されているのではなくて? 」


ルナは私達は高いわよといきなりぶつけにいく。

新春の初セリのノリだ。


「私たちを組み込むなら、それなりの『増資』が必要になるかと思うのですが....。」

「....ルナ、....火に、....油....。」


リュンヌは隣で、ルナが交渉のテーブルをいきなり爆破しそうな勢いであることに戦慄し、さらに小さく身を縮めた。


主人はポカンとする。

意味不明な言葉の乱射に三人とも唖然としたようだ。

「そもそも、私はルス神に仕えし者、私を第3夫人とするということは、ルス神様はそのお二人より位が低いと仰られるも同じ。」


ルナはとうとうと語り出した。


「更にリュンヌは私の大切な護衛という事はルス神様に仕えし者と同じですわ。」


「....ルス神様が、この二人より....格下?」


商人の手から、持っていた葉巻がポトリと落ちる。


両脇の妻たちも、あまりに壮大な「宗教問題」へのすり替えに、反論の言葉を失って固まっている。


「....ルナ、....それ、....ダメなやつ。」


リュンヌは小声で震えながら指摘したが、ルナは止まらない。むしろ、相手の困惑を「市場の隙」と見て、一気に畳み掛ける。


「そうですわ、ご主人様。順位をつけるということは、序列を作るということ。」


ルナのさえずりは大きくなっていく。


「ルス神の代理人である私を第3位に置くのは、この屋敷のルールがルス教の教義を上回ると宣言したも同然....。」


さえずりはますます高らかになりヒバリがはばたくようだ。


「これは、昨日、大教会長様とも深く憂慮していた『信仰への挑戦デフォルメ』ですわ。」


「だ、大教会長だと....!?」


商人の顔が、脂汗でテカり始めた。

ただの「美少女コレクション」収集のつもりで舐めて出した「召喚状(ラブレター)」。


それが、いつの間にか「教会に対する宣戦布告」という国家レベルの負債リスクに化けている。


「....リュンヌも、....神様の、....おまけ。」


リュンヌは神罰を恐れビビって要らない事を言う。


「おまけじゃないわ、聖域の守護者よ! 」


この失言をルナは逆に思い切り逆手に取り、全力で否定する。


「このリュンヌを第4夫人、つまり最下位に置くなど、もはや聖騎士団に対する侮辱でもあると言っても過言ではありません。」


ルナは大げさに身体と声を震わせる。


「....ああ、恐ろしい。鐘が鳴り終わる頃には、聖騎士様が血相を変えてここへ『監査』に来られるかもしれませんわね。」


ルナはわざとらしく溜息をつき、憐れむような目で商人を見つめた。


「さあ、ご主人様。この莫大な『不敬負債』、どのように清算(落とし前)をつけてくださるのかしら?」


定番の悪役っぽいのになっちゃったよ。

と思いつつもうここまで来たら行っちまいます。

第一夫人、第二夫人ってのをちょっと若めに描こうとイメージしましたが単なる美人ですなこりゃ。

なんとか相手も色を出せるようにルナさんにお願いしよう。

さあ、ルナの屁理屈はどう展開される。

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