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儚げな祈りと先行投資

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


「....教会....?」リュンヌは驚く。


いやルス教の神官が教会に行くことを驚かれている時点でルナが終わっているのだが。


「教会は情報の集積地。その秘匿性の高さは、リスクヘッジにおいて最大の魅力ね。」


神官の皮を被った情報工作員のような台詞を吐き、ルナは迷いなく歩を進める。


リュンヌは呆れを通り越し、背後のナギナタの重みを確かめる。


「....ルス神様、....泣いてる。....絶対。」


「泣かせておきなさい。神様だって、無能な信者より稼げる代理人を求めてるわよ!」


信心のかけらもない理論武装でリュンヌの良心を黙らせると、ルナは教会の重厚な扉を無造作に押し開けた。


静謐な空間に響く彼女の足音は、祈りのためではなく、これから始まる「市場独占」への号砲のようだった。


ルナは教会のルス神像の前へ進み出る。

リュンヌも入口でナギナタを預けルナに続く。


「主よ、日々、私に労働という素晴らしき報酬を与えて下さり....。」


銀髪碧眼美少女神官の儚げな祈りがはじまる。


「....報酬...?」


祈りの言葉に混じった露骨な世俗臭に、リュンヌは深く頭を垂れたまま、顔を引きつらせた。


神への感謝というより、元締めへの入金確認にしか聞こえない。


「主よ、健全なる市場競争こそが福音であり、その果実を享受することこそ….」


「....(....やっぱり、....お布施、....のこと)」

リュンヌも決して熱心に神を信じていないがこれはドン引き案件だ。


ルナの独創的な教義ビジネスモデルが静謐な礼拝堂に響き渡る。


神像の慈愛に満ちた眼差しすら、今はルナのあくなき強欲さを温かく見守っているように思えてくる。


リュンヌはただただ、自らの良心が摩耗していく呪文を聞かされていた。


「ルナ同志殿、ようやく教会にお越しいただけましたね。御付きの方もご苦労様でございます。」


柔らかな声がルス神像の方からする。


「....ルス神様....?」

彫像が喋ったと本気で焦るリュンヌを余所に、ルナは一分の隙もない完璧なカーテシーを決めた。


「これはこれは大教会長様。自らお迎えいただけるとは、私のような一端の神官には過分な配当(光栄)でございます。」


営業用の鈴を転がすような声。リュンヌはそのあまりの豹変ぶりに、背筋が寒くなるのを感じた。


「....ルナ、....声....作りすぎ。」


「しっ、静かに! 今は重要なBtoB(神官同士)の交渉中なんだから!」


小声で護衛を制しながらも、ルナの瞳は真剣に相手を見定めている。

大教会長直々の出迎え。


これは単なる挨拶ではなく、例の「第3、第4夫人」絡みの不採算案件を処理するための、絶好のマーケット情報源になるはずだ。


「大教会長様、街の皆様方からいただいた浄財を納めに参りました。その後に少しお話をさせていただきましてもよろしいでしょうか?」


小さな袋を慎ましやかにルナは両手で差し出して見せる。


「主よ、この尊き『先行投資』を正しく運用(お導き)ください....。」


ルナは敬虔な面持ちで首を垂れ、その小さな袋を恭しく差し出した。


神々しいまでの銀髪が窓からの陽を弾き、その姿はまさに天から舞い降りた聖女そのもの。


だが、その脳内では既に大教会長との情報交換による利回りが秒単位で計算されている。


「....(....詐欺師、....降りてきた。)」

リュンヌは背後で、その見事な演技力に戦慄していた。


美しき神の御使いの皮を被った、冷徹なやり手婆。


ルナが最も得意とする「高付加価値せいじょモード」に、大教会長の顔が綻ぶのをリュンヌは見逃さなかった。


案内されたのは大教会長の執務室という密室で、ルナの「聖女モード」はさらにその出力ギアを上げた。


先日の辻説法で二人を厳しく咎めたはずの騎士は、入口に立ち塞がりながらも、その視線は泳いでいる。


ルナがふわりと微笑み、慈愛に満ちた眼差しを向けるたびに、彼の「職務正義」という名の防壁がボロボロと崩れ去っていくのが分かった。


「....すいません....」


追い打ちをかけるように、リュンヌが俯き加減に消え入りそうな声で面会の手間への謝罪を口にする。


無自覚な黒髪美少女による、守ってやりたくなるような「弱者の輝き」。それが騎士の心にクリティカルヒットした。


(俺は....なんて尊い方々に無礼を働いてしまったんだ....!)


騎士が内心で猛烈な自己批判セルフ・バッシングを始めているのを横目に、ルナは心の中で算盤を弾き、勝ち誇る。


「リュンヌ、いいのよ。主は過ちを認め、歩み寄る者にこそ祝福を授けるのですから。」


(....よし、聖騎士、落ちたわね。これで教会内外の『身辺警護コスト』が大幅にカットできるわ。)


子どもの頃って〇〇が欲しいとかお祈りしませんでしたか?ってそれ自分だけとか思う作者です。

ルナは、ある意味清々しいぐらいですよ。自分がしてみたいことをぶち込んで書いちゃったかもです。

さて、ルナは教会をどう活用する?

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