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恋文というか召喚状

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。


翌朝、二人はルナが作った目玉焼きとパンと水の朝食を食べる。


ルナはここでも残った油で玉ねぎを炒めて出してくる。野菜を意地でも食べるという拘りが、リュンヌにはおかしく思えて仕方がない。


「....野菜....無理に....。」


言った瞬間、リュンヌは己の失策を悟った。ルナの瞳が、獲物を捕らえた肉食獣のごとくギラリと輝く。


「無理じゃないわ、必然よ! 脂溶性ビタミンの吸収効率を最大化するには、この『残り油』というサンクコストを活用するのが定石なの!」


止まらない栄養学(と節約術)の講釈。リュンヌは自ら地雷を踏み抜いた己の口を縫い合わせたい衝動に駆られながら、炒め玉ねぎを口に運ぶ。


「....味は、....おいしい....のに」

悔しいことに、ルナの合理主義が生む一皿は、常にリュンヌの胃を的確に満たしてしまうのだった。


「いい?!何事もコスパとタイパ。24時間戦えるよねだったかしら。そう動けてなんぼよ。」


この神官。よくよく考えると祈るのは説法の時だけ。

リュンヌは「....祈る....見たこと....ない」口を滑らせる。


「うっさいなあ。そこはここ、わからないかしら?この祈らずとも溢れ出る労働への感謝。」


いくら見てもお布施への賛歌しか感じられない

「祈らずとも....感謝?....それ....お布施....賛歌。」


リュンヌの核心を突くツッコミに、ルナは「な、なによ!良いじゃん」と顔を真っ赤にして叫んだ。


祈る暇があるなら算盤を弾く。それがルナの信仰ビジネスモデルだ。


「神様だって、単なる祈りより、しっかり稼いで経済を回す私のガッツを愛でてくれるはずよ!」


「….神様、….泣いてる」

リュンヌの素直な心が言わせる。


「泣いてるのは、あんたの低すぎる女子力(QOL)でしょ!」


ルナが言い返した食卓は、祈りとは程遠い喧騒に包まれる。


だが、皮肉を言い合いながらも食事が進むその光景は、一人でナギナタを研いでいた頃のリュンヌには、どんな聖歌よりも温かく響いてくる。


歯磨きのために階下に降りた二人に、宿の主人が近づいてきた。


「おはようございます。ご両人さま。」


宿の主人は満面の笑みを浮かべ、恭しく手紙を差し出した。ルナはそれを受け取りながら、周囲の視線を横目で計算する。


自分たちが広告塔となり、宿の稼働率(LTV)が向上している事実は、すでに織り込み済みだ。


宿の主人が差し出したのは、筆跡の同じ二通の封書。ルナはそれらを並べ、鼻を鳴らした。


「....同じ、....字の感じ?」

リュンヌは、不思議そうに言う。


「ええ、相当なマメ男か、あるいは重度の計算違いね。ターゲットを絞れないなんて営業効率が悪すぎるわ。」


ルナは一通をリュンヌに渡すが、リュンヌは眉間に皺を寄せて手紙を逆さまに持った。


ルナに字を習い始めたばかりの彼女には、流麗な筆致はただの難解な図形にしか見えない。


「....読めない。....これ、....なんて?」

リュンヌはルナに確認する。


「『麗しき銀髪の乙女へ』と『凛々しき黒髪の戦士へ』。つまり、二兎を追う不届き者からのラブレターよ。」


ルナは心底つまらなそうに言う。


「....ふん、情熱を注ぐ相手を間違えてるわね。お布施の額も書いてないなんて、ただのコストの無駄使いよ。」


ルナは冷徹に言い放つと、内容も読まずに手紙を懐にねじ込んだ。


リュンヌは「....私のも、....没収?」と、少しだけ釈然としない顔で守銭奴神官の横顔を見つめる。


「あんた、読みたいの?いいわよ代読してあげる。私はこの街の金持ちだ。第4夫人に迎えてやる。どう?満足した?。」


ルナはニヤニヤする。


「....4って....4って……?」


リュンヌは指を四本立て、数字に困惑の表情を浮かべた。ルナは手紙をパタパタと仰ぎながら、マウントを取るように胸を張る。


「私は第3夫人候補よ。勝ったわね。....って、何が3よ! このジーニアス・ルナ様を端数扱いするなんて、この成金、市場調査がなってないわ!」


怒るポイントがズレている守銭奴に、リュンヌは呆れを通り越して感心した。


「....負けで....いい。....夫人、....無理。」


「当然よ。第4夫人なんて、コスト回収に見合わない端株はかぶ扱いでしょ。リュンヌ、こんな不採算案件は無視して...。.」


ルナが言葉を途中で止めて考え始めポンと手をおっさんのように打つ。


「これ、差出人って商人よね。リスクヘッジさえちゃんとしてリュンヌを差し出します。って言えば....。」


ルナ、不適切発言である。


「....差し出す? ....何を。」

不穏な単語を拾ったリュンヌが、ナギナタの柄を握る手に力を込める。


ルナは「あっ、いや、言葉の綾よ!」と右手の手のひらをパタつかせ、即座に営業スマイルを再構築した。


「いい? 商売の基本は、リスクを分散してリターンを最大化すること。」


ルナが熱弁を振るうことは、リュンヌが不幸になる法則発動だ。


「つまり、あんたを最高の条件(高値)で交渉の場に置くってことよ。不適切どころか、至極真っ当なお話じゃない!」


ルナは平然と非人道的発言をする。



ちょっと騒がしい、朝の食卓を書いてみました。

実際は一人の時間も欲しいだろうから、どっかでそれぞれに部屋を与えてあげてもいいですが、同部屋の方が楽なもんで書くのとか言い出すおっさん。

さて、思わぬ内容のラブレター?をルナはどう処理するんでしょう。

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