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成約率200%

本作品は、中年のおっさんの個人的なAIへの興味から派生し始めたものにつき、

作者が好き放題書き散らかしています。

ですので、皆さんが普通は書かないような事にこだわったりしてしまっています。

生理描写や衛生描写等が重く書いてる本人もスカッと全くしておりません。

お気に召さねばそっと閉じていただけると登場人物たちも喜ぶと思います。

それでも、お付き合いしていただける方はどうぞよろしくお願いいたします。

恥ずかしすぎて、もはやどこに視線を置いていいのかわからない。


耐えきれなくなったリュンヌは、群衆の最前列でポカンと口を開けて自分を見上げていた小さな女の子と目が合った。


「....(あ、えっと....)」


照れ隠しに、ぎこちなく、けれど精一杯の優しさで「ちいさく」手を振る。


その瞬間、広場の空気が変わった。

凛とした美少女の護衛が、ふっと見せた年相応の、それでいて「聖母」のような柔らかな仕草。


それはルナの胡散臭い....もとい、流暢な説法に、決定的な「真実味」を与えてしまった。


「おお....なんと慈悲深い....。」

「あの娘があんなに元気で笑っているなら、あの粉末は本物だ!」


男たちは「はたを楽にする」という言葉に謎の感銘を受け、女性たちはリュンヌの艶やかな髪と血色の良さに「あやかりたい」と身を乗り出す。


お布施という名の「先行投資」が、ルナの革袋に滝のように流れ込み始めた。


「(....ちょ、....ちょっと! 手を振ったら....集ま....る....っ!)」


リュンヌは脂汗を流していた時よりも必死にナギナタを握りしめる。


ルナはといえば、リュンヌの会心のファンサービス(?)を横目で捉え、勝ち誇ったような、これ以上ない「悪い顔」でニヤリと笑っている。


「....ええ、ええ、皆様。焦らなくても大丈夫です。順次、『慈悲の配布(有料)』の受付を開始しますから!」


リュンヌは悟った。この守銭奴、自分の「照れ」すらも計算に入れて、お布施を最大化させている。


「されど、一神官の身ではお配りできる限界もございますゆえ、どなたか志の高い方がお手伝いいただけることを神の御心に縋っているのです。」


ルナはわざとらしく表情を一瞬曇らせてから、とびきりの笑みへ切り替える。


「皆様もはたを楽に、そしてご自身も楽に。それがルス神様の光の御心の本質でございます。」


聴衆を見回しルナは満足気に柔らかな微笑みを見せる。


「今日一日が、健やかなる皆様にとってよき日でありますように。失礼いたします。」


ようやくルナは祈りを捧げ説法をおえた。


「....(....ようやく、....終わっ....たっ....。)」


ルナが最後に放った「はたを楽に」という謎の格言と、見事な幕引き。


群衆からは惜しみない拍手と、ルナの「ビジネス」に賛同する声が上がっている。


リュンヌは言いつけ通り、一言も喋らずに深々と会釈をした。


けれど、顔はゆでダコのように真っ赤で、膝はあまりの羞恥心と緊張から小刻みにぷるぷると震えている。


艶やかなシニヨンが揺れ、紅を差した唇が結ばれるその姿は、「謙虚で敬虔な、慎み深い乙女」という、これ以上ない誤解を生んでいた。


「お疲れ様、リュンヌ。今日のあんた、成約率200%超えの神ボディーガードだったわよ。」


ルナが耳元で、営業用の声を捨てた「いつもの守銭奴ボイス」で囁く。


リュンヌはそれを聞くやいなや、ナギナタを抱えたままルナの腕をギュッと掴んで、人混みの外へと逃げるように歩き出した。


「....もう、....無理! ....恥ずかしすぎ....死ぬ....っ! ....『聖なる母性』....! ....『はたを楽にする』....! どこ....書いてる....!」


リュンヌはふくれっ面で目を潤ませて抗議する。

ルナは全く堪える様子がない。


「書いてないわよ、私の頭から湧いてくるんだもん。見て見て、この革袋の重み。これこそが信頼の『質量』であり、明日への『投資原資』よ。」


ルナはズッシリと重くなった袋を景気よく振り、チャリンという金属音を響かせた。リュンヌはふっくらした頬をこれでもかと膨らませる。


「....あたし、手を振った。....あの子、....信じちゃう。....あの薬、....砂の味が....っ。」


ルナはひらひらと手を広げて振って見せる。


「いい? 砂の味だろうが何だろうが、あんたの体調が改善したのは事実でしょ。嘘はついてないわ。」


そう言うとルナは市場の方へと足を向ける。


「さあ、今日はボーナスよ! 市場で一番いいハーブを買い足して、あんたの薬の『フレーバー・アップデート』をしてあげるわ!」


「....結局、....また薬....っ!?」

リュンヌの叫びが街角に響く。しかし、一週間前のような絶望はない。


紅を差した唇を尖らせながらも、リュンヌの足取りは、ルナの「三方良し」な野望に巻き込まれながらも軽い。


活気づく市場の喧騒を、場違いな透明感を放つ神官ルナが突き進む。


背後で引きずられるリュンヌは、自分の手に握らされた不自然に重い包みを凝視した。


本来、客寄せパンダの役割はルナの美貌が担っていたはずだ。


だが今日は、威勢のいい漁師のお兄さんまでもが頬を染めて、リュンヌに川魚を差し出してきた。


「....また、増えた。....おかしい。」


無骨な戦士の掌に、不器用なほど優しく置かれた銀色の鱗。


困惑する彼女の背中で、ルナの視線が「商品価値の変動」を逃さず捉え、冷徹かつ愉快に細められた。


いやあ、こんな風に上手く話が運べばいいよねという、筆者の願望垂れ流しの説法シーンでした。

いかな天才演説家でもこんな簡単には進まないと思います。リュンヌもオマケが貰える様になったようで....

次はあのクソマズ粉末に危機?

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