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エリカの日常 〜人生100回目小学生の物語〜  作者: 羅琴


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8/9

嫌われている

「はい、じゃあ次の問題いくよ〜 77引く44は? わかる人いるかな〜」



算数の授業はあまりにも退屈で。


どちらかというと教師だった頃の血が騒ぎ、間違った覚え方をしている子にとことん教えたくなる。


「はいはいはーい! 47!」


「違うね〜 惜しいなー!」


どこが惜しいというのだ。


そこで惜しいと言えば子ども達は自分の考え方が近かったのだと勘違いをしてしまう。


例え子ども達を誉めるための言葉だったとしても、あれは良くない。


この教師とは気が合わないな、そんなことを考えていると大体当てられる。


「じゃあエリカちゃん! 分かるかな?」


「はい。33です。」


こういう時は顔を上げずに答えてしまうのが私の悪いところだ。


けれどこんな教師と目を合わせたいとも思えない。


昨日はこの教師が1年生を叱り飛ばしているところを見たのだ。


(1年生って幼稚園じゃないか。)


なんでも、宿題が出せていなかったのだという。


(阿保なの?)


小学校初心者の一年生を宿題が出せていないからといって叱りとばす教師がどこにいる。


(ここにいるか。)


改めてこの教師は最悪だ。


「エリカちゃん! だめだよ、ちゃんと立って答えなきゃ。目も合わせてね」


「はい、先生。次から気をつけます。」


口調は優しいが目が笑っていない。


明らかに私のことが嫌いだ。


小学生のくせに、といった感情が滲み出ている。


そんなに私が問題を答えられるのが気に食わないのだろうか?


「次っていうけれど、いつもそうだよ? どんな問題でも間違いなく答えられるのはもちろんすごいことだけれど、基本ができていないと社会で生きていけないよ?」


胸糞悪い。小学校2年生相手にそこまでいうか。


これが100回目の人生でない、普通の小2だったら泣くぞ。


はああ、と心の中で大きくため息をついて答える。


「そうですね、先生。次からそうします。」


嫌いな人はとことん嫌いだ。ゆっくりと目を合わせて、目の奥を探るように見つめる。


私は知っている。100回目の人生で得たこの緑色の瞳は、特殊能力こそないが見つめられれば大の大人でさえ目を逸らしてしまう。


「っ〜! ん、んん゛! 後で先生のところにくるように。」


やはり目を逸らし、最後の悪あがきのように言葉を吐き捨て、教師はチャイムと共に教室から出ていった。


(はぁ、これだから先公は)


自分のことを棚に上げて先生を侮辱するのも、もう何度目だろうか。


「あれって怒られてたんじゃないの? 大丈夫?」


「エリカちゃんって泣かないよね 強いね〜」


こんな時に純粋で可愛らしいクラスメイトに慰められるとやっぱり可愛いな、と思う。


……私の前で喧嘩されるのは別だ。


「ん〜、まぁ、ちょっと怒られてくる!」


へらりと皆に微笑めば、手を大きく振って送り出してくれた。


「頑張れぇ〜!」


「待ってるねー!」


私が怒られにいくということをわかっているのだろうか。


それでも可愛いから笑みが溢れてくる。


——さて、敵を倒すとするか。

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