第二話 魅力
少し奇麗な普通の人?
魔法学院中等部二年に転入してきた転入生へ、一週間、私が観察して出した評価は、なんてことないものだった。
「レイ」
苗字はなく、名前だけ。
ニホンでは少し珍しいが、他の国ではそこそこあることだ。
顔は少し奇麗。
幼いわけでも、女らしいわけでも、男っぽいわけでもない。
現代風にいえば中性的な見た目だ。
学年で一番可愛いわけでも、美しいわけでもない。
性格というか、周りの人との接し方は、とても丁寧でいつもほほ笑みを浮かべている。
非常に好印象だ。
身長は160の後半くらいで、同年代の男子と同じくらいかそれ以上に高い。
私は今はまだ、身長が149cmくらいしかないため、並べば驚くほど身長差があるだろう。
いつかはその差は縮まるがな!!
私は絶対に身長が伸びるはずだから!!
あと特筆できることといえば、髪が少し変わった色をしている。
銀色のようで水色のようにも見える色。
長さは腰ほどあり、よく手入れされているのか美しい艶がでていた。
その髪のせいか、彼女が放つオーラ、漂わせる空気のせいなのか、何が理由かは断定できないが、彼女を[少し奇麗な美しい人]と確定しきることができず、?な状態にし私の思考を惑わせた。
これが、人のもつ魅力というものなのだろうか。
目に入る情報を認識し、しっかり言葉に変換し理解する。
そうしていたとしても、認識できない、言葉にできない、理解できないことは少なくない。
人は、そういうものに何故か惹かれる。
そう。
私は彼女の何かに惹かれている。
惹かれているといっても、恋とか愛とかではない。
ただ、知りたい。
近づいてみたいと思うんだ。