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96話「格の違い」
「ねえ、格の違い…分からせたけど……まだ、やる?」
「✕、✕△✕…」
激しく肩を揺らしながら、荒神業魔が起き上がる。
その顔面は華白に蹴られたせいで、原型を留めておらず醜い形へ変貌してしまっていた。
「ウォーミングアップのつもりで蹴ったのに、そのザマなんて」
「✕ッ! 〇△! ✕〇✕! 」
ドバドバと血を吐き出す荒神業魔。
「今の貴方は、死にかけの無敵怪物かも」
華白は顔色一つ変えず、荒神業魔に淡々と距離を詰めてゆく。
「多分、決着ついてる、かも」
「〇△〇、✕……」
「……どいて」
「……✕✕、✕」
立場が逆転し「そこを退け」と圧をかけられてしまい、荒神業魔は完全に戦意喪失。
彼(荒神業魔)は巨大な体で回れ右をする、と……そのままフラフラと逃走。
地上最強の生物・荒神業魔は、己の拠点である『毒ノ聖花壇』の方角へ哀れに撤退した。




