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91話「静かな憤り」

 

「〇△〇! 〇〇〇! 」


「くどい化物め。猛毒の領域まで粘着してくるとは! これでは、小僧の所に行けん! 」


 荒神業魔は毒の沼地へ踏み入り、華白を追いかけて来たものの……

 彼(荒神業魔)のフォートレス甲殻から「ジュー」と、物が溶ける音が鳴り渡る。


「?……✕〇✕! 」


 荒神業魔のフォートレス甲殻が猛毒の泥に溶かされてゆく。

 雷昂(蛾)は、荒神業魔の動揺を見て低く唸った。


「この沼地は猛毒楽園だからな。無敵のヤツでも、さすがに耐えられまい」


 彼女(雷昂)の解説は的中しているが……

 荒神業魔は猛毒の泥に侵されながら、華白の前に立ち塞がり続けた。


「心身を溶かされても尚、それがし達の道を通行止めするのか。何でもアリの化物め! 」


 意地でも行く手を阻む相手(荒神業魔)に、雷昂(蛾)が怒りを露わにする。


「嗚呼! もはや時間が残されておらぬ。クソッタレ! 」


 それとは別に、華白は「……」と俯いたまま、沈黙を貫いていた。


「おい、馬の骨! 小石のように沈黙しているヒマは無いぞ。あと数秒しか、小僧の猶予は残されていないのだからな! 」


 雷昂(蛾)が声を震わせながら、カケルのタイムリミットについて語る。


「小僧は今、首元寸前まで『死』に浸かっておる、が……命の灯は途絶えておらぬ」


 要するに、愛野カケルは『まだ』生きているという事、だが……


「これ以上、時を浪費すれば! 小僧が『毒の泥』に溶かされてしまう! 」


 雷昂(蛾)の切羽詰まった説明に耳を傾けながら、華白は全身がアドレナリンに満たされるのを感じた。殺意と怒りが、華白の心の中でメラメラと燃え滾る。


「多分、許さない……かも」

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