88話「歩く理不尽」
女同士の争いに挟まれて、ポカンとしてしまうカケル。
和気あいあいとした空気が流れてゆき、二人は『戦いが終わった』ことを心の底から実感した。
「さて、冗談はここまでにして、幕を下ろすとしようか」
法術核を破壊するため、カケルが荒神業魔の死体を見つめた。
……その瞬間……
彼の優しかった表情が、厳しい顔つきに一変してしまう。
「ッ?! リン! 危ない! 」
カケルが鬼の形相で、華白に全力タックル。
華白の腹にカケルの頭がめり込み、170㎝の体が転がってゆく。
「きゃあ! 」
併せて、さっきまで華白が立っていた空間を『数十のも斬撃』がズタズタに引き裂いた。
突き飛ばされたお陰で、間一髪…華白は『斬撃攻撃』から逃れる事ができた、が……華白を庇った代償に、斬撃のすべてがカケルに襲いかかった。
ーーーザッ! ズ、ババババ、バ!ーーー
「ぐゥ、ああああ」
カケルの耐毒軍服が切り裂かれ、無慈悲な攻撃に彼の体が蹂躙されてしまう。華白と雷昂(蛾)は、予期せぬ出来事に驚愕し声を裏返してしまった。
「小僧ッ?! 」「カケル?! 」
華白は『斬撃をした主』を視認して、乾ききった固唾を飲み込んだ。
「あぁ! 荒神ッ業魔?! な、なんで…」
然り、沈黙したはずの触手たちが踊り、活気を取り戻していたのである。
「〇△〇ッ!……」
殺意の眼に怒り&殺意を宿しながら、むくりと起き上がる荒神業魔。
「コイツ! なんで、まだ生きてるかも! 」
(か、風穴空けられたクセに~底抜けのタフさ、かも)
雷昂(蛾)も華白と等しく『荒神業魔が復活』した事に動揺していた。
「気合いで、蘇生したとでも言うつもりか?! この『歩く理不尽』め! 」
「〇△〇、○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○! 」




