83話「使い勝手最悪な…∞弾」
「あわてるな。十弐式毒銃は『毒弾を銃身内で生成』するから、な」
「た、多分……鉄砲の中で、でっかい毒弾が自動的に作られるってノリ?」
「馬鹿だが、察しがいいな。如何にも、銃身内にある『自立式・錬金機構』が自らの意志で50口径毒弾を再構築するのだ」
(はへ~自分で弾をつくる鉄砲か~。それって、つまり弾無限って事じゃん! )
「いッ! 色々すごいのは分かった、けど……次、撃てるのは何時なの?」
「フン。冷却、毒弾の再構築、装填。すべてを累計して、30秒だ」
「長いよ! そんなに指を咥えて待ってられない。カケルが、死んじゃうよおおお! 」
「時を見誤るでない。今の貴様に何ができる? 小僧を救えるのは、その豆鉄砲だけだ。今は、耐え忍べ! 」
「うッ、うぅ! 」
30秒経てば、再び十式毒銃が使えるようになる。そうはいっても……
「この手に…神具があるのに……」
(カケルが、リンチにされるのを、鑑賞することしかできないなんて)
一方、カケルは複雑骨折した腕をぶら下げながら、荒神業魔に抵抗し続けた。
「うおおおおおおおおお! 」
「〇✕〇ッ! 」
触手のアッパーカットが、カケルのみぞおちへヒット。「うっ、ぐ!」と彼の口から嗚咽が漏れる。




