80話「ショタ男と複雑骨折」
これまでの自分自身を否定し、迫りくる死を受け入れる、が……
「リン! あきらめないで! 」
カケルのハキハキとした雄叫びが、華白の心を闇から引っ張り上げた。
「まだッ。エンドロールじゃない。今、ここに『毒銃』があるんだ! 」
「愚か者! 十弐式毒銃の反動は『重戦車の正面衝突』に匹敵するのだぞ! 」
カケルは雷昂(蛾)の警告を振り払い、十弐式毒銃の銃口を荒神業魔に重ねる。
「小僧?! 止せ! 撃つな! 」
であろうとも、カケルは一切の迷いもなく毒銃の引き金を絞りこんだ。
ーーードオン!ーーー
ハンドキャノン(毒銃)の銃口から恐竜のような銃声が轟き、凄烈な衝撃がカケルの体を叩きつける。重ねて、彼の両手が「ゴキッ」と、あり得ない方向へひん曲がってしまった。
「あッ! がァあ!!! 」
「カケル?! あぁ! て、手があッ! 」
150㎝のショタ男が数メートル先までぶっ飛ばされる。
毒銃が、複雑骨折したカケル腕から手放されてしまい、華白の足元へ落っこちた。
「あぅ、わたしィがグズってたせいで、最低最悪のパターンに……」
「クソッタレ! これほどに絶体絶命ならば、もはや最終手段だ! 」
雷昂が、己の戦犯行為を後悔する華白の耳元で『最後の解決策』を咆哮する。
「馬の骨! 足元にあるソレを手にするがいい! 」
「どどど、どうしてぇ?! わたしィが毒銃を拾っても、誰も得しないかも~」




