78話「秘密兵器をつかえるのは主人公一人です」
予想外な彼のアクションに、意表をつかれてしまう二人(カケルと雷昂)。
「カケルッ、まさか! その鉄砲を使うつもり?! 」
「小僧! 考え直せ! 『毒銃は神具、凡人が扱える代物ではない』と助言してやったのに、忘れたのか?! 」
「他に突破口があるのか! 今『この銃を撃てる』のは、ボクだけじゃないか! 」
「阿呆が……いいか、よく聞け。凡人が十弐式毒銃を扱えない原因は『発砲時の衝撃』にあるのだ。その毒銃を発砲する際、およそ15tもの反動が発生する。ソレほどの衝撃、一般人の体には到底耐えられぬ」
「た、たしかに……謹崎さんのアドバイス通りかも。その鉄砲をつかえるのは、ルルナさまの加護で強くなった翼さん『だけ』かも」
「故に、小僧! お前が神具(十弐式毒銃)を使うなど、奇跡がおきても不可能だ!」
雷昂(蛾)の説明に、カケルは「クッ!」と毒銃の引き金から指を離す。
「だったら格闘戦でタイマンだ! 」
されど、荒神業魔は大蛇のような触手でカケルを容易く殴り倒した。
「〇△〇! 」
「ぐ、ああああああ! 」
荒神業魔は邪魔なハエ(メンター)を払い 華白へ敵意を移す。
「あッ、あぁ……かけ、る」
案の定、華白は恐怖と絶望のあまり這いつくばる事しかできない。すると、雷昂(蛾)が、失神寸前の華白に喝を入れた。
「馬の骨! 小僧の愚行をムダにするな。早く『毒の沼地』へ避難しろ! 」
「い、いやあ……嫌なの。彼を、置いてきぼりにしちゃ……」




