72話「無敵の管理者」
加えて「ドドドドドドドドド! 」と、振動音が激しさを倍増させてゆく。
「コレ、地震じゃない。足音……かも?! 」
(なッ?! なんか……大きいのが、こっち向って全力疾走してきて、る?! )
「ほ、方角は…多分、森の奥から…」
華白の予想通り、明確な殺意が密林の向うから急接近して来ていた。
グラグラと不規則に揺れる地面。激しい揺れに困惑しながら、カケルはガスマスクの中で呼吸を荒げた。
「地鳴りのスケールが拡大している。コレは一体? 」
「だッ! 大丈夫かも! 何が、乱入してきても……わたしィの毒々チートでッ」
圧巻の空気に圧されながら、華白はクタクタの体で半強制的に立ちあがり、森奥から急接近してくる刺客に備えた。
……そのタイミングで……
ーーーゴォオオオオオ!ーーー
過激な爆発音が炸裂し、一辺の樹木が木端微塵と化す。
「〇✕、〇△〇……」
突然、乱入してきた刺客の正体は言うまでもなく……
「「「荒神業魔! 」」」
ラスボスの襲撃に、青い瞳を震えさせてしまう華白。
「い、一難去ってまた一難ってワケ?! もう、最低……」
「フン、おそらく『先程の戦闘音』を嗅ぎつけてきたのだろう。流石は、最強無敵の管理者と…言ったところか」




