67話「人生初の~」
「………やった、かも? 」
華白は左脚を挙げたまま、予想外の結果に目を点にしてしまう。
雷昂(蛾)は、そんな彼女の周りで飛び周り「フン」と、ぶっきらぼうに感想を述べた。
「歴代の毒人は槍や剣で無双していたが、な。今回は『蹴り技』と来たか」
一方の華白は「……」と言葉を失い、バレリーナのような姿勢で立ち尽くしている。
「……おい。いつまで、その姿勢でいるつもりだ?変態みたいだぞ」
「……勝った、かも? 」
「わざわざ口にせずとも、お主の勝利は一目瞭然であろう」
ぶっきらぼうな口調で『勝利宣言』され、華白は恐る恐る左脚を下ろす。
それから、夢心地の感覚を味わいながら、ボーっとその場で立ち尽くしていた。
間抜けな彼女の様子にイライラしているのか? 雷昂(蛾)の口調が荒々しくなってゆく。
「おい、いい加減にッ! 」
雷昂(蛾)が『しっかりしろ! 』と喝を入れようとした、瞬間……
「わたしィ、勝ったああああああああ!」
華白は大袈裟にガッツポーズして、子供のように大歓喜した。
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