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63話「水を得た馬の骨」

 

 毒人講座をしている間にも、真紅のコボルトは猛毒の果汁に蝕まれ続けている。


「ギィ、エエエエエエ! 」


 猛毒果汁に蝕まれ、地面の上をのたうち回る真紅のコボルト。哀れな被害者をよそに、雷昂(蛾)が、より詳しい説明を捕捉する。


「さらに、毒の脅威度が高いほど、毒人はより進化する」

「ええと……多分、凶悪であればある程、強くなれるってこと? 」


「フン、猛毒の果汁は『猛毒』。よって、キサマの戦闘力は倍増しておるのだ」


 ……つまり……


「今のキサマは『水を得た馬の骨』だ」

「ちょっと違うかも。ソレを言うなら、水を得た魚でしょ! 」


 対立する真紅のコボルトは、ノロノロと立ち上がり露わにさせる。


「ギィ、ギィ、ギィ! 」


 フォートレス甲殻は猛毒の果汁に侵食されており、随所に深刻なダメージが見受けられた。


「毒されながら、怒る余裕があるなんて……な、なんてタフなの~」


 倒れる気配を見せない相手を前に、神経を張りつめる華白。

 そんな彼女の肩上で、雷昂(蛾)が戦いのゴングを鳴らす。


「ステータスの上昇は、殺し合いの中で実感しろ。くるぞ! 」


「ギィガア! 」


 同時に、真紅のコボルトが攻めを展開。

 ジェット機をも凌駕するスピードで急加速し、華白との間合いを一瞬でつぶす。甲殻に覆われた拳を堅く握りしめ、獲物(華白)の顔面を粉砕するべく30tもの右ストレートを打った。



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