56話「喋る蛾」
「狙い通りの鬼畜展開! 多分、死んで終わるのがオチかも」
二度目の死を覚悟しながら、アサルトライフルを大袈裟に乱射しまくる。
すると、そんな華白の周りを、蛾(使い魔)がヒラヒラと飛び回って……
「フン。馬の骨にしては愉しませてくれる。赤点の瀬戸際だが、合格点をくれてやろう」
ぶっきらぼうな『雷昂の声』が、蛾の翼から発せられた。
「蛾が、喋ったあああ?! 」
華白は驚きを隠せなかった。
「喋る蛾」がいるなんて、想像すらしていなかったから。
「い、一体、どんなカラクリなのよ~」
「…出発する前に、わざわざ教えてやっただろう。コヤツ(蛾)は通信機だと」
『蛾(雷昂)』が、手品の種を偉そうに解説してゆく。
「コヤツ(蛾)は、遠隔操作の呪符で生成されていてな。例えるなら、羽の生えた古代のドローンと言った所か……」
「神聖な巫女さんの口から、メカ用語が出てとか…ちょっとドン引きかも」
「馬の骨相手に、引かれるのは不本意だが…今は、三流漫才をしている暇はなかろう。あの『紅いの』を乗りこえねば、な」
「無茶振りしないでよ。そんなの……奇跡が起きてもムリかも」
「奇跡とは、自らの手で創造するモノだ。小娘」




